ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

学振とか

久々の更新になります。履歴を見ると,約2週間ぶりでした。その最後の更新の頃まで遡って以降何をしていたかというと...

CERNからの帰国。ゴールデンウィークの谷間で,日本人観光客の動きの反対だったからなのか,はたまたメーデーでヨーロッパ各地では仕事を休んでる人が多かったからなのか,ジュネーブ→ロンドン便,ロンドン→羽田便ともにかつてないくらいガラガラでした。私はJALを使っての週末移動が多いので,ほぼ常に満席のフライトばかりです。なので私にとっては未経験とも言えるくらいガラガラで,3人掛けのところを1人か2人で使っているところが多く,占有率はせいぜい40%くらいだったのではないかと思います。そのおかげで,体がだいぶ楽でした。

その後,ゴールデンウィークを満喫するつもりだったのですが,予算申請のために書いていた申請書に大きな問題があることが事務チェックにより発覚。その修正を家でコツコツとやり,ゴールデンウィーク明けも事務その他と,この申請書のための作業にだいぶ追われました。とはいえ,2,3日でしたが子供達と家の近くを散歩する日々は平穏で心身をリフレッシュすることができました。

ゴールデンウィーク明けは,3月末くらいから追われていた大量の書類作業が終結に向かいつつあります。まだ小さいのが幾つか残っていますが,それは定常レベルなので,まあ書類書きは終えたと言ってもよく,精神的にだいぶ楽になりました。その書類書きの終盤戦にやっていたことの一つが学振の評価書です。学振というのは,このブログを読んでる方ならほぼ知ってるかと思いますが,文科省の下に設置されているfunding agencyの一つです。私たちがお世話になる科研費も,種目によっては文科省直下ですが,多くの種目は学振の下ですね。なので,正確には学振というとその組織のことなのですが,私たちの周りで学振の申請というと,博士課程の学生もしくはポスドクを支援するための特別研究員への申請のことを指します。博士課程の学生の大半が応募するのではないかと思いますが,私が指導する学生も当然のごとく今回応募しています。ややこしい立場なので評価書を直接書いたのは1人ですが,実質的には2人が申請しています。2人とも優秀だし熱意もあるので,なんとか採用されて欲しいと祈っています。

全く別の話ですが,6月10日(土)にKEKの公開講座というものの講師をやります。その案内のウェブサイト(?)に私の紹介記事を載せるとかで,一昨日は,そのインタビューを小一時間受けました。その記事原稿がすでに送られてきたのでその確認をしようと思っていたところなのですが,最近,あまりに多くの人,特に新たに一緒に仕事をする事務方の人とのやりとりが多くて,失礼きわまりないのですが全員の名前を覚えきることができず,メールの検索に苦労しています。名刺をもらえると調べやすいのですが,そもそもメールのやりとりだけの人が極めて多いので,最近実は結構苦労しています。名前ではなく,件名でももちろん検索はかけるのですが,いずれにせよ,かなりの時間を費やしてしまっています。。あ,大事なこと忘れた。興味がある方はぜひお越しください。でも,まだ,ウェブサイトはできていないようです。私が早くインタビュー原稿をチェックして送り返さないとならないのかもしれません。

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久々天使と悪魔

昨日はCERNへの移動で,飛行機の名で久しぶりに天使と悪魔を見ました。その冒頭,CERNのLHCで反物質を作るシーンがあり,突っ込みどころが多いのはご存知の通りかと思います。LHCトンネルの横にコントロールルームがあり,しかも,トンネルとの壁がガラス(?)で中が見えるのは,Fermilabのハイライズ最上階の展示室のようです。まあ,その他にも色々あるのは置いておくとして,昨日は日本語字幕がなかったので英語が苦手な私は日本語吹き替えを利用したところ,前には気づかなかったことに幾つか気づきました。

背景音(?)として,ルミノシティが10の34乗に到達したとか,陽子数が10の13乗になったとか,そういう館内アナウンスが流れているのですね。微妙といえば微妙ですが,荒唐無稽な数字ではないので,ちゃんと取材をしていることがわかります。ただ,陽子数のほうは,バンチあたり10の11乗でバンチ数は3000弱なので,ルミノシティ10の34乗を出そうとすると合計でオーダー10の14乗必要です。惜しいっ。

天使と悪魔以外にもう一本,海賊と呼ばれた男も見ました。いやー,本領発揮で大泣きしました。題名のない音楽会をこれから見ようと思うのでした。

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自分の頭で考えてもらいたい

ある外国人研究者とのやりとりに疲れています。研究内容について質問すると,「どこそこの論文にそう書いてあるから」的な答えばかりで,自分自身でその内容を吟味もしていなければ,理解もしていないのです。検出器開発にかんする議論で,なぜそういう要求値になるのか,なんでもっと緩い要求ではダメなのかと尋ねると上記の答えなのです。。では,と,その論文を見ると仕様要求は書かれていますが,なぜその要求値になるのかは定かではありません。

こういうことはよくあるのですが,そのパターンは2つに分類できるかもしれません。

その1:相手が何にも考えていない。一定の割合ではどこにでもそういう人がいて,運悪くそういう人に出くわしてしまった。

その2:検出器開発の専門家によくあることですが,一般的に面白い技術開発をやっていると,その研究をさらに進めるために物理から本当に必要なのかどうかわからないけど,とにかくoverspecなものを作ろうとする人たち。技術開発自体を目的とするエンジニアが幅広い応用を見据えて技術開発してるかのごとく,技術開発自身がゴールになっているパターン。

今回はこの2つのコンビネーションみたいなのですが,相手にするのが本当に疲れます。本に書いてあるから,誰かがそう言ってるから,という理由で研究を正当化するなら科学者をやめたほうがよいです。いや,2のパターンならそう言ってくれれば,それはそれで納得します。自分の今の環境だとそういうことをする金も人もいないので,潔くoverspecだけど趣味でやってると言われれば,ただただ羨ましいと思うだけです。でも,本来は2なのに,誰かが必要と言ったから必要なんだ,みたいな説得力のない言葉で正当化しようとしてる人を相手にしなければならないのは,仕事だから仕方ないことなのかもしれませんが,科学者同士の会話ではありません。とほほ。

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RK*

先週CERNのセミナーで,LHCbがRK*が1からズレている,と言っても2σちょいですが,という結果を発表して,理論屋さんの間ではちょっとした話題になっているようです。RK*というのは,B→K*eeとB→K*μμの崩壊比の比で,標準模型ならペンギン経由のγ(とZも?)が電子対かミューオン対に行くだけなので,その値はほぼ1です。電子とミューオンでは質量が違うので位相空間のデカさは多少違いますが,今はざっくりとした議論なので,γとの結合に電子とミューオンに違いはないのでほぼ同じということです。

どっちを分母にしてるのか定義を忘れましたが,とにかくそのRK*が1から2σちょいズレてるということですが,普通にSUSYとかでそういうこと起きませんし,無理やり電子への結合ととミューオンへの結合の違うものを入れようとしたら,他の観測事実にひっかかってしまうだろうし。。。というわけで,自然にこれを説明するのはなかなか難しい気がしますが,これまでの既成概念にとらわれず虚心坦懐に実験結果を吟味するという姿勢は大事だと思うので,注目は一応しておこうと思っています。

セミナーの内容は見ていませんが,実験屋的には電子とミューオンの検出効率にバイアスがないかをまず気にします。当然,それぞれの検出効率を測るだけでなく,J/psiあたりで測定にバイアスがないかをチェックしてるんでしょうね。他にも色々in-situのデータでチェックできることはあるので,もし,1からのズレが実験によるものだとしたらあとは統計ということになりますが,いずれにせよ,そのうち発表内容をよく見てみようとは思っています。

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申し込み殺到

春の学校の申し込み締め切りが過ぎ,蓋を開けてみると70(?)の応募。多数の申し込みありがとうございました。

この学校を始めたころは,当然のことながら知名度ゼロだったので,高エネルギー物理屋が入っているメーリングリストはもちろんおこと,色々な知り合いを通じて学生の参加を呼びかけてもらいました。ところが,ここ1,2年は,そういう個別のお願いをしなくても毎年ほぼ同じ人数の申し込みをしてもらえるようになりました。ありがたいことです。

さて,次の問題は,この多数の申し込みを受け,どうやってプログラムを作るのか,です。何度か議論したことがあるのですが,2泊3日では入りきらないほどの口頭・ポスター発表の申し込みがあるので,日数を伸ばそうかとも考えました。でも,学生には授業や実験現場での研究活動もありますし,運営側も暇人なわけではないので,日程を伸ばすのは難しいという結論に達しています。となると,どうやって発表を入れるのか...かなりの難題です。

今回幹事おNさんは色々と選抜方法やプログラム案を考えて提案していますが,さて,最終的にどういうことになるのか。。

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