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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

ガス抜き

中国では民衆のガス抜きのために,国というか共産党によって,対日感情がコントロールされているという話をよく聞きます。日本でも同じようなガス抜きはよくありますよね。毎度毎度周期的に出てくるのが公務員イジメ。それ以外で突発的に発生するのが何か問題を起こした会社や組織。記憶に新しいところでは東京電力だったり,焼き肉屋だったり。ただ,日本が中国と違うのは,ガス抜きに使われる対象が国や政権によって決められているのではなく,マスコミということでしょうか。

いや,酷いなぁと思ったのは,東京電力に対する主婦のコメント。電気代が少し上がるのは仕方ないが,東京電力の社員の給料を減らせ,という内容です。そういう考え方を持つこと自体私には理解不能なのですが,それをマスコミが取り上げて公に報道するのには,大いに見識を疑います。問題起こしたら給料減らせ,というのは典型的なガス抜き,感情論ですよね。「私は◯◯が嫌い」という単なる嗜好の意思表示を全国に流しているに過ぎません。問題を起こした組織を壊すのは気持ち良いでしょうが,仮に,今東京電力を解体して従業員を全員クビにしたら,今抱えている多くの問題を放置するということになるわけです。そんなことできるわけありません。

すでに,経営陣だかなんだかは給料ゼロになってて,もう誰もこんな組織のトップになんてなりたくありません。従業員だって,働いて昇格したら給料が下がるのですから,モチベーションが上がるわけありません。感情論に走る人々のガス抜きに東京電力の社員を使えば,それによって問題解決が遠のくという発想がマスコミにはないのでしょうか。今やるべきは,優秀な人材が東京電力に集まるような環境作りなのではないかと思うのですが。。

というような最近の議論と景気問題に関して感じることが幾つかあります。

前にも同じようなこと書いたことありますが,マスコミの情報にみんながみんな右向け右という国民性だと,民主主義が正しく機能してないと思います。民主主義って,色んなベクトルを持った考え方があるからこそ,正しい方向性を見出せるんだと思いますが,焼き肉屋を虐めればみんなで寄ってたかって虐める人々だけでは,民主主義とはほど遠い気がします。誰かが何かを言ったときに,必ず誰かが反対するような組織,団体でないと民主主義の良いところが出ないのではないかと思います。

それから,景気が悪いからと国の支出を抑えろ,問題があった組織の人間の給料を下げろ,というのも私には理解不能です。景気と国の支出の関係に関しては,信者じゃなくてもケインズの言ってることを少しは見習って欲しいです。いや,ケインズの経済学が正しいかどうかは私は全く知りませんが,彼流の考え方を少しは勉強して欲しいといったところです。物理屋流に言うと,金もエネルギーも保存ですから,景気を良くするには国の支出を増やして流動性を高めるしかないと思うのですが,なぜかマスコミの好みは公務員の給料削減。無駄の削減と言いますが,結局は役人を代表とする公務員の数減らしが趣味です。そういうことは景気が良いときにインフレ抑制でも兼ねてやるべきで,不景気でデフレという今やるのは真逆なんじゃないですかね。公務員の給料でも,土建屋でも,金を出せば,その金は金融市場の血流となるわけですから。あ,ただし,国債になっちゃう貯金や,海外の投資は禁止しないとなりませんね。

別に公務員じゃなくてもいいのですが,誰かの給料が増えて,その増えた分を消費に回せば経済の活性化になります。しかし,財務が痛んでいる民間企業にその最初の一撃を加える力がないのであれば,国が代わりに最初の一撃を加えるべく公務員の給料を増やす,というのがロジカルには正しい経済政策のような気がするんのですが…。あ,研究費でもいいのですが,研究費は海外に流れる資金が増えてしまい,国内産業の発展のためには単に給料のほうがいいのではないか,と何の根拠もなく思ったりします。でも,そういう議論にならないのは,ガス抜きと妬みという感情が議論を支配してしまうからなんでしょう。

問題があった組織の人間の給料を下げることに関しても,その組織を完全に解体してもいいのであれば(=初めから存在価値がないのですから),給料をいくら下げたも構いませんが,単なる処罰感情では片付けられない問題を抱えている場合に,感情論だけで話を進めるのはちょっと…という感じです。

何らかの問題を抱えている時,問題を起こした人への処罰感情だけに支配されると,建設的,論理的な議論はできません。マスコミには,ガス抜き対象を設定するのではなく,感情論ではなくもっと建設的に物事を考えるよう人々に訴えて欲しいです。

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