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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

M山さんの本を読み終えて

ようやくM山さんの本を読み終えました。感想を一言でまとめると、何事もポジティブな表現が大切だなぁ、ということを再認識しました。すみません、物理の内容ではなくて…。

わかりやすい喩え、わかった気にさせる(?)説明のキレは素晴らしいのですが、M山さんのトークの上手さを嫌と言うほど知ってるので、そういう点に関してはそれほどの驚きはありませんでした。しかし、そういうところではなくて、科学が、物理学が過去にどれほど大きな発展をして、これからも面白い謎が山ほどあって、ワクワクするような新発見があるに違いない、とおもわず思ってしまうような、そう思わせる書き方というのは見事でした。なんと言っていいのかわかりませんが、非常に前向きな視点なんですね。うじうじしてる所がないというか、楽しくて仕方ないというか、細かなテクニカルな点ももちろん素晴らしいのですが、全体を流れる前向き姿勢というのは、人に科学あるいは物理を説明する立場の人間としてぜひ見習おうと思いました。

まあ、本に限らず、何事もそうですよね。後ろ向きな人というのは人間的な魅力に欠けますよね。逆に、少しくらいアホでも前向きな人というのは人を惹き付けます。何かを説明するときも、その説明していることに興味を持って欲しかったら、前向きな説明をしなくちゃならないんだということを強く感じました。

ところで、M山さん得意の色々な比喩がいたるところで使われていましたが、一つ印象に残ったのがあります。不確定性原理の説明に、金庫から金を借りるという喩えを使っていました。金額が大きい時はすぐに返さないとバレルが、わずかの金額ならバレるまでに時間がかかる。エネルギーも一緒で、エネルギーが大きい時はすぐにそのエネルギーを返さないとならないが、小さい時は多少融通がきいてすぐに返さなくても大丈夫。そんな説明です。

なるほどー、とおもわず唸ってしまいました。よく考えるとそれだけでは本質はわからないのですが、なんとなくわかった気になってしまいませんか。いや、もちろん、不確定性原理の本質なんて、私が理解してるとは思えないですし、そもそも「原理」ですから直感的なイメージが掴めればよいのかもしれません。だからこそ、直感的にわかってもらうにはどうしたらいいかと説明する時に悩むのですが、M山さんの比喩は流石としか言いようがありません。

と、ごちゃごちゃ書きましたが、面白い本でした。

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