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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

締め切り直前

修論の締め切り直前ということで、連日大学に来て、原稿を渡されるのを待っています。

学生さんは締め切りが迫りプレッシャーを感じていますが、車の玉突き事故と一緒で後で作業をしなければならない人はより時間がありません。そうです、実は、学生が原稿を準備するのが遅れれば遅れるほど、原稿をチェックする教員にとっては時間の猶予がなくなります。私たちの研究室の場合、ATLASをやっている学生の修論は基本的に私がチェックを入れ、私のOKが出ると初めてY教授が最後のコメントを入れるという体制になっています。ですから、玉突きの最後はY教授。しかも、Kaonの実験をやっている学生の修論のチェックを入れるのもY教授なので、締め切り日直前に一番ヘビーロードになるのがY教授です。学生に体調を崩さないようにと注意をしていますが、よく考えると(考えなくてもか)、体調を崩すと一番ダメージが大きいのがY教授。そして次が私、ということになります。どこの大学でもそうだと思いますが、誰か一人が倒れると身動きが取れなくなる体制の典型ですね…。

それはさておき、この季節になると、4月から新しくメンバーとして加わってくる学生にどういう研究をやってもらうか、毎年悩みます。この前、KEKのTくんと酒を飲んだときに似たような話題になりましたが、私としては方針だけ決めて、その方針に沿ってどうやって進んでいくかは学生自身に考えて欲しいと思っています。なので、私が考えるべきことはその方針なのですが、それが結構大変です。

物凄く大雑把に言うと、博士課程まで行く予定の学生には、実験屋として一通りの基礎知識と物事の進め方を学んで欲しいので、修士過程ではハードウェアでもソフトウェアでもいいですが検出器関連の仕事。博士課程前半では実験現場で実験の進め方を勉強。そして最後に物理解析。とまあ、誰でも想い描く方針があります。博士課程に入ってからは方向がある程度定まっていますし、そもそも博士課程の学生なら、その先の方針もある程度自分自身で考えられますから、私自身がそれほど考え込むということはありません。

が、修士課程で卒業していく学生も同じなのですが、修士課程で何を研究してもらうかということに関しては相当考えます。ATLASのような巨大プロジェクトでなければ、実験計画・検出器開発・建設・実験・解析というサイクルが短く、計画から建設あるいは実験までのどこかで検出器を触る機会を作れるのかもしれませんが、ATLASのようなサイクルの長いプロジェクトだとそういうわけにはいきません。なので、修士学生にどんな検出器プロジェクトをやってもらうか、ということに関しては、ATLASに参加している大学の教員はみな結構悩んでいると思います。

そんななかで私が気をつけているのは、学生をロボットにしないことです。同じ検出器開発でも、その検出器が世界最高の性能を誇り、立派な論文になるような研究開発であることに越したことはありませんが、だからといって、その開発のための手足に学生をしたくありません。そういう検出器だと、実際に設計したり、開発にアイデアを出すのには長い経験と深い知識が必要になってきます。そういう部分にノータッチで、単に測定、単にデータ解析だけを学生にさせる、ということはしたくないと思っています。

となると、尚更、自由度が減るんですね。学生自身が何かアイデアを盛り込めるようなプロジェクトで、かつ、高エネルギー関連のプロジェクトに使う、使えそうな検出器開発を行わないとなりません。ということで、色々考えないとならないのですが、まあ逆に、何をするか考えるのが楽しいという言い方もできます。時間さえあれば。

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