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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

もう一つのBファクトリー

昨日の物理学実験の授業は、祈りが通じたのか精神修行の場となることなく、それなりに順調にほとんどの学生たちが実験をこなしてくれました。昨日は試しに、算数を相当丁寧に教えたのですが、その効果がどうもあったように感じます。データを処理して欲しい値を求めるプロセスがだいぶスムーズだったように感じます。ただまあ、同じ学科でもクラスによって成績の善し悪しがなぜかあるので、たまたま出来の良いクラスだったという可能性はあります。

ちなみに、丁寧に教えた内容というのは、logの計算方法、グラフ上の直線の傾きからy=ax+bのaの値を求めるということ、1次方程式が2つあったら未知数2つに対してconstraintが2つなのでその未知数を導けるということ(=単に連立方程式を解けということですが)、などです。logの計算といっても定義さえ知ってればできるような計算ですし、後者2つは完全に中学生の内容。オシロスコープのコンセントを差し込むことを指示してるのと良い勝負かもしれません。しかし、もしこういうことが本当にひっかかるポイントだとしたら、大学入試の数学の問題は何の能力を分類してるんでしょうね。中学生の算数を理解していなくても解ける高校数学の問題なのか。あるいは逆に、ほとんどの受験生が極めて低得点で、分類するというセレクションとしての意味を失っているのか。いずれにせよ厳しい現実です。

おっと、昨日のことを軽く書くつもりでしたが、思っていたよりも長くなりました。今日書こうと思ったのは、イタリアのBファクトリー計画が承認されたというニュース。このブログ読者の方の多くは知っているかもしれませんが、KEKのBファクトリーは数ヶ月前に運転を終えて、アップグレードに向けて動き始めています。Partial approvalという謎の承認段階ですが(今もそう??)、とにかくアップグレード計画進行中です。

KEKのライバルだったSLACでは高エネルギー部門が縮小され、Bファクトリーのアップグレードもなし。Bの物理をやりたい人はKEKの計画に加わるというような状況でした。ところがもう一つ新顔が名乗りをあげていました。それがイタリアで、新たにBファクトリーを始めるという計画を提案していたのですが、それがイタリア政府に承認されたというニュースが今日流れています。個人的には、イタリアの提案がそれほどやる気のあるものだと思っていなかったので少し驚きました。B関係者にとってはそれほどの驚きではないのかもしれませんが、本当にイタリアでできるのだろうか、というのが多くの人の印象なのではないでしょうか。

いやー、しかし、本当にやるんですかねー。SLACの残党とかが加勢してるのでしょうか。

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この記事のコメント

出張で名古屋にいるときにBelleをやっている人でなく、Linear Colliderをやっている人から聞いて知りました。
少し前にイタリアのINFN-Frascatiに行ったときには所長の発言が非常に弱気で、もう諦めてるんだろうと思っていたのでかなり驚きました。イタリアのSuperBは SLACの使わない資産を運んで来て再利用することでコストダウンをすることになっていますが、トンネルもないところに270MEuroで新しい加速器が、SuperKEKBと同じ time scale で出来るとは思えません。まだ、場所も決まっていないし。9月までに決まらないとアメリカは抜けると言われていて結論が先延ばしになっていたのですが、これが答えだったのでしょうか。
私が言うのもなんですが、Belle/BaBarと違い次世代B-Factoryを二つも作る意味が有るのかと思います。
2010-12-19 Sun 19:42 | URL | 中村@Belle [ 編集]
SuperKEKBのstatusを書き忘れましたが、文科省から出された予算要求にはSuperKEKBの予算は含まれているそうです。
今は、財務省だか民主党だかが予算案を作っているところでしょうから、まだ、partial approvalであることには違いが有りません。
来年度予算案が国会を通って、そこに含まれていたら official approval と言うことになります。
2010-12-19 Sun 19:48 | URL | 中村@Belle [ 編集]
ありがとうございます。
しかし、イタリアのBファクトリーは驚きでした。
2010-12-21 Tue 12:52 | URL | ExtraDimension [ 編集]

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