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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

違法≠犯罪?

日本の刑罰は重いか軽いか、というような内容の本をこの前CERNに行った時の移動中に読みました。

結局、比較問題なので(国による違い、時代による違いなどなど)、現代という前提から他の国と比べると、軽犯罪については異常に重く、重大犯罪については軽い、という結論でした。また、日本の特徴は、他の国に比べて社会的制裁が異常なまでに厳しいうえに、有罪にならなくても逮捕されただけで社会的に抹殺されてしまうところだ、という主張にはおもいっきり頷きました。ということで、結論自体はそれほど驚かなかったのですが、法律そのものや、その執行方法、犯罪者に対するリアクションが国によって大きく違うことが説明されていて、その違いには大いに驚きました。

なかでも「へー」と思ったのは、中国の法律。もちろん法律ですから、何が違法かの定義はあるわけですが、違法行為をしたからといって即犯罪ではないのだそうです。違法行為が社会に著しく影響を与えたときのみ犯罪になるのだそうです。何をもって「著しく」と判断するのかは、当局の都合なのでしょうが、とにかく法律上の定義として軽い違法行為は犯罪とみなされないのだそうです。(用語を正しく理解していないかもしれないので、間違っているかもしれません。その辺は行間を読み取ってください。)

例えば、万引き。盗んだ金額が大きければ(何元という基準みたいなものがあるらしいです)罪になりますが、たいした金額じゃないと、裁判はおろか警察が逮捕することもできないのだそうです。警察が怠慢なわけではなく、軽い違法行為では有罪にならないので動けないのだそうです。いやー、びっくりしました。暴行についても同様で、暴行罪みたいなものは存在しないのだそうです。殴るか蹴るかして、相手が大怪我をすれば傷害罪になりますが、たいしたことない場合は犯罪と認められないのだそうです。

と、私は驚いたのですが、別に中国だけでなく、他にもそういう国はあり、日本のようにどんな小さな違法行為でも警察が動いてくれて、逮捕、裁判…となる国は、むしろ珍しいくらいらしいのです。いやまあ、確かに治安が良いとは言われていますが、実際、日本の警察、というか社会の犯罪者に対するリアクションが日本ほど厳しい国はないみたいなんですね。だからこそ、治安が良いんでしょうね。ただ、まあ、そこまでなんでもかんでも違法行為を犯罪にされてしまうと、冤罪が非常に恐ろしいです。著者も、この日本人の反応は相当恐れているようです。

でもって、この本を読んで最も頷いたのは、日本の法律とその運営は日本人の文化を強く反映しているということ。軽犯罪には重罰を持ってのぞみ、殺人のような重大な犯罪でも犯罪者が反省していれば(反省していると判断されると)異常なほど軽い罪になってしまうのは、日本人の気質、文化そのものだと説いていて、その説明には非常に納得しました。コトあるごとに謝れ、謝罪しろ、反省しろ、というのは日本人のお家芸ですよね。実際、裁判でも、被告が反省していると判断されると、普通の人が予想している以上に刑が減刑されるのだそうです。一方で、なんとか条例なんていう法律以下のルールが厳しく運用され、それで逮捕でもされようものなら社会的に抹殺するなんていう国も日本だけなんだそうです。

日本の量刑が重いか軽いかは、結局、日本人の文化で決まっているという主張には強く同意したのでした。日本の政治家が政策について議論しないで、本質から離れたところで失言を責め立てるのも、そういう政治家を選ぶのも日本人の文化だと常々思っているので、余計に著者の意見に同意してしまいました。

しかし、中国だけではなく、国によって法律、法解釈、法の執行等がそこまで大きく違うということを知らなかったので、非常に楽しめる一冊でした。

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