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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

留学生

国際化の流れなのか、大学でも外国人留学生が昔より増えています。私たちの研究室にもKaonをやっている韓国人の学生が一人、そしてATLASをやる予定のマレーシアからの研究生が一人います。

ATLASをやる予定の研究生は来年度に修士課程に入学する予定で、数日前に書いた通り、今は日本語と物理一般の勉強をしています。この学生は、在マレーシア日本大使館を窓口とした国費留学生で、日本から経済的な援助を受けて日本で勉強しています。指導教員である私が推薦書やら研究計画書やらを書くのですが、留学生としての期間延長をしなければならず、その手続きが10月(と私は聞いていました)。

というわけで、どういう書類をどこにいつまでに提出すればよいのか照会すべく、3月か4月の時点で担当だった大学の職員にメールを送ったのですが返事なし。仕方ないので、同じ部署で以前同様のやりとりをしたことのある別の人にメールを送るも宛先不明で届かず。八方ふさがりになったので、研究室の秘書の人に事務に行ってどうなっているのか尋ねてもらったところ、もともと担当だった方は休職中。次にメールを送った方は部署の変更。連絡取れないわけです。

しかも、代わりに応対してくれた人も留学生に関する手続きに関しては経験が無く、どうすればよいのかわからない状態で、さらに別の部署の人から話を聞かないとならないそうなんですね。担当だった人が休職(しかもこの人は4月に雇われたばかりのはずです)、業務の引き継ぎが無く教員からの照会に誰も答えられないというのは、なかなかの潔さです。文科省だか外務省だかから連絡が来たら答えると言われたのですが、わかっている人がここまでいない状況でそう言われても、なかなかに不安です。

にしても、こういうこと=業務の引き継ぎがなく次々と人が変わって(辞めて)しまうことというのは、世間によくあることなんでしょうか。予算が少なくて職員数が少な過ぎるのか、組織の体制の問題なのか、私には客観的に判断する材料がありませんが、現場にいる人間としては、とにかく業務が滞ってしまうのは困ります。いえ、私以上に奨学金を頼りに留学している学生はもっと困ります。大学の経営、本当にヤバいです。

というようなことを書いてて思い出したのが、少し前に読んだ新聞記事。日本が成長するために、特に、科学・技術の分野で成長するために、大学は優秀な留学生をもっと獲得しろという記事がありました。日本の大学の外国人留学生比率は欧米で最低だから、優秀な外国人をもっと集めろという内容なのですが…読んでて目眩しそうでした。

欧米の、少なくとも、優秀な外国人留学生がたくさんいる大学では、留学生に潤沢な奨学金を提供しているんですね。逆に言うと、潤沢な奨学金がある大学に優秀な留学生が集まっているわけです。それに比べて日本では、国費留学生のような特別な場合を除き、逆に授業料や入学料を取る始末です。もともと言語的、地理的に不利な日本で、さらに金を払ってまでやって来る留学生が多くいるわけありません。

そもそも留学生だけでなく、大学院生、ひいては大学の学部生についても同じことが言えます。優秀な学生は金を払うのではなく金をもらって、勉強・研究をしてるわけです。金をもらうために、よい奨学金が得られるよう頑張るわけです。デキが悪ければ金を払い、デキが良ければ金をもらうというわかりやすい構図です。一方、日本では、学生は優秀かどうかにかかわらず、一律お客様です。厳しい競争が生まれるわけありません。いや、理想は、アカデミックな動機で頑張って勉強してもらいたいわけですが、現実は、少なくとも日本以外の先進国では資本主義の論理で動いています。

にもかかわらず、問題の根っこを全く無視して、単に留学生を増やせって…太平洋を浮き輪をつけて泳いで、深さ数1000メートルの海底まで知ったかのような物言いに、本当に卒倒しそうでした。

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