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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

デートより残業?

家で読んだ朝刊に、新入社員に対するアンケートで80%を越える新入社員がデートよりも残業を優先させると回答した、という記事を読んで驚きました。驚きついでに調べると同じような記事がウェブ上にもありました。いやー、これ、本当なんでしょうか。私なら間違いなくデートを選びます。学生に厳しい(?)指導をしている私ですが、彼らがデートですと言った時には必ず「じゃあ、しょうがないね」と答えています。いや、本当にそうで、周りの学生に聞いてもらっても構いません。

それが、85%の新入社員が仕事を優先させるとは…いやー、驚きです。どういうアンケートだったのか、無記名であることが保証されてたのか疑ってしまいます。なんてことを言ってるのは、私がバブル世代に近いからなんでしょうかね。その記事にも書いてあるように、91年に入社した人たちが最もデートを優先させる比率が高く37%の人間しか仕事を優先させないそうです。もし、バイアスのない正しいアンケートだったとしたら、世代間でここまで考えが変わってしまうほど、経済の影響が大きいのかと驚くと同時に、若い人たちに同情してしまいます。

アンケートで驚いたといえば、このアンケート結果も印象深いです。3人に1人の女性が旅先で恋に落ちたいと思っていて、5人に1人は実際に恋に落ちているそうな…いやー、私たちの研究室を旅先に選んで欲しいですね。ははは。

ところで、私は「バイアス」という言葉をよく使うと思いますが、研究の世界でよく使う言葉なので意識しないとすぐに使ってしまいます。例えば、日本人女性の意識調査を行うために、無作為抽出で多人数からアンケートを回収すれば、それはバイアスの少ないアンケート結果ということになります。が、調査対象がある特定の集団、例えば、年齢層、職業、住んでる地域、などなどに集中していると、それは日本人女性の本当の平均的な考え方から離れている可能性がありますよね。そういう母集団の偏りのことをバイアスと呼びます。

上の旅先でうんぬんのアンケートなんかは、バイアスのかかった母集団の典型です。なにしろ旅情報のサイトに登録してる会員の女性に対するアンケートなのです。旅先で恋に落ちたい人が必ずしも旅をしてるわけではありませんが、旅をしたくない人よりは旅先で恋に落ちたいと思ってる確率は高いのではないかと思ってしまいませんか。あるいは、旅をしない人よりも間違いなく旅先で恋に落ちる確率は高いですよね。なにしろ、旅をしない人では、いくら恋多き女性でも旅先で恋に落ちることできませんから。

というわけで、アンケート結果というのは、母集団をどのように選ぶかで結果は大きく変わってしまいます。実験も似た状況で、ある測定をする時に、データサンプルにバイアスのないことが重要です。なので、バイアス、バイアスと普段から口走っていて、それでブログ上でもよくこの言葉を使ってしまいます。

アンケートネタで思い出しましたが、こんなのもありました---東京六大学の男子大学生に調査を行ったところ、92%の立教の男子学生は女性とつきあったことがあり6大学中最も高い数字で、最低は東京大学の29%。さて、この結果をどう読むかが実験家の腕の見せ所(?)です。モテたい私は立教大学を選んでしまいそうです。しかし、それは正しいのでしょうか。

ある実験装置が原因不明で調子悪くなったとします。そのとき、実際にその装置を交換して原因を調べられないとき、とにかくデータ中から推定することしかできないときは、まず、その検出器の性能と何か別の要因の関連(相関と言います)を調べます。実験装置だと話がわかりにくいので車にしましょう。車の最高速度を測ると、何らかの原因でいつもほど速くないことがあります。こういうとき私たちがすぐやるのは、最高速度グラフの縦軸に、何か別の原因、例えば気温、を横軸にしてグラフを描きます。スピードが出ない原因が気温ならグラフ上に何らかの関連性が見えてくる(=相関がある)わけです。

こうやって、ある2つの事柄の相関を調べて原因を探るというのはよくある手法で、アンケートというのはそういう相関を調べてる手法の1つです。ですが、問題は相関があったときに、どっちが原因でどっちが結果なのか正しく判断する必要があるんですね。実際に実験してるとどっちが主でどっちが従なのかわからなくなることはよくあるのですが、重要なのは、相関があるからと言って因果関係を特定できたのかよく考えなければならないということです。

気温と車のスピードなら、まあ、気温が原因でスピードが結果でしょう。車のスピードを上げると気温が変わるとは思えませんよね。が、立教大学生だからモテるという結論を導くのは早過ぎますよね。モテる人が立教大学に行っているという可能性も大きくありますから。つまり、6大学のアンケートでは相関はわかっても因果関係まではその結果からはわからないということです。

いきなり長いエントリーになって何を言いたいか全くわからなくなってしまいましたが、一つはっきりしてるのは、私はこういうアンケートとか統計情報から色んなことを考えるのが好き、ということでしょうかね。ははは。

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