FC2ブログ

ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

大規模研究計画

日本学術会議から「学術の大型施設計画・大規模研究計画ー企画・推進策の在り方とマスタープラン策定についてー」という提言が一昨日公表されました。そのニュースを昨日新聞で読んだのでブログに書かなくちゃ、と思っていたのですが忘れていました。今朝メールを読むと、高エネルギー分野のメーリングリストにその知らせが流れていて思い出しました。要旨・本文資料へのリンクをはっておきます。どちらもPDFです。

能書きはどうでもいいから、世間にはどういう大型研究計画があるのかを知りたいという人は、資料の最初に課題一覧を見るとよいのではないでしょうか。その一覧の後に、各課題の説明が2頁づつあります。素粒子原子核分野からは、Bファクトリーのアップグレード、J-PARCのアップグレード、国際リニアコライダー、ハイパー(?)カミオカンデ、そしてRIBFと合計5個の実験計画がリストアップされています。素粒子原子核という一括りですが、RIBFは原子核、J-PARCのアップグレードは素粒子と原子核の両方、それ以外が素粒子実験計画ということになります。前に書きましたが、高エネルギー委員会ではこの提言の内容についての議論が多くなされてきました。J-PARCは素粒子と原子核双方のコミュニティからの意見を集約しなければならないので、そこが一番面倒だったかもしれません。読まれるとわかるかもしれませんが、微妙に不自然なとこがあったりします。

こういう資料は、自分の専門以外のところ見るのが面白いです。計画の数や予算など全体を眺めると、日本の学術の中に置かれた高エネルギーの立場というか性質が見えてきます。逆に個々の研究内容を眺めると、自分の専門以外でどういうことが研究されているのか純粋に好奇心から興味深いです。

以下個人的な感想ですが、伝統的にボトムアップ型の素粒子業界にどっぷりと浸かっているので、トップダウンの匂いを感じる研究計画というのには違和感を感じてしまいます。特に、民主党政権になってから、ある特定の分野について潤沢に資金が投入されているようですが、それと被る研究に対してはあまりいい印象を持てません。妬みというのもあるのかもしれませんが、それ以上に気になるのは、何度も書いてきていますが科学に対する過信です。原理は完全に理解できていてそれを応用するには資本の集中が必要、というような、実用化を目指す商品開発のような応用(というより技術といったほうがいいような)開発ならトップダウンもアリだと思うのですが、適用限界がそれほど広くない中で確立された理論や考え方に基づいてトップダウン方式で研究を進めるということには違和感を感じてしまいます。しかも、適用範囲がどれくらいかを理解しているその分野の科学者ならいいですが、適用範囲や、確度(という科学における概念)を理解していない政治家やお役人が、どういう研究を進めて行くか決めるというのは非常に不思議で、かつ、危険な気がします。


研究 | コメント:0 | トラックバック:0 |
<<3.5TeV | HOME | 今日も>>

この記事のコメント

コメントの投稿















コメント非公開の場合はチェック

この記事のトラックバック

| HOME |