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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

ログブック

たぶんどの分野の人でもそうしてると思いますが、研究者というのはログブック(logbook)というものを持っています。logを辞書で調べてみると、業務日誌、実験記録、、、そんな訳が出てきます。つまり、日々の研究成果、経過を記録しておくノートですね。こんなことやったとか、解析で得られたプロットとか、研究に関するメモ、アイデアなどなど、研究に関する色々なことを記録しておきます。我々の業界では縁遠いですが、複数の研究者(グループ)がどちらが先に研究成果を出したのかを裁判などで争う時の証拠ともなりうるようなものです。

もちろん人によって使い方はまちまちですし、時代によって使い方も変わってきています。例えば、最近は何でもコンピュータで済ませてしまう傾向があるので、メモなどをノートにとらず、コンピュータ上のテキストファイルとしてしまうこともあります。ですが、私はこと研究に関しては割と手書きで記録を残しています。特に、普通の人ならコンピュータ上で表にまとめるような類いのこと、結果一覧表みたいなものを手書きでノートに記録していて、人に呆れられることがあります。

そんなログブックですが、私は修士課程以降自分がつけたログブックを全て持っています。って、私だけでなく多くの研究者が過去のログブックを大切に保管してると思いますが、私はそのログブックをたまたま見ます。修士課程、博士課程のときはKaonの実験、ポスドク時代はBの実験、Fermilabのスタッフだったときは陽子・反陽子衝突のエネルギーフロンティア実験、そして今がATLASと異なる実験、異なる物理の研究をしているので、過去のログブック、特に学生あるいはポスドクだったときのログブックを見ても今の研究に役立つことはほとんどありません。

でも、そういう古いログブックを見るのです。なんでかというと、ログブックには日付も書いてあるので、修士の学生だった当時、博士課程の学生だった当時、ポスドクだったとき、それぞれの時代の研究の進行速度がわかるんですね。かつ、その時々でどんなことを問題意識として持っていたのか、何につまづいていたのか等々、今ではすーっかり忘れていることがちりばめられています。で、それを見て、学生にハッパをかけるときに「これくらいの速度なら研究を進められるはずだよな」と自分の中で確認するのです。同じ目的で、物理内容とは関係なく、自分の修論や博士論文を眺めることもあります。こんな風にログブックが役立つものだとは思ってもいませんでしたが、残しておいてホントよかったです。

それから、古いアルバムを見るような楽しさもあります。わっ、こんなこと考えてたんだ、と驚いたり、幼稚さに呆れたり、今では理解できない数式が書いてあったり、とにかく、当時とは全くの別人で、自分が書いたとは思えない記述がたくさんあるんですね。記憶力のいい人なら新鮮味がないのかもしれませんが、私の場合何でもすぐに忘れてしまうので、一粒で何度でも楽しめる感じでしょうか。自分が書いた記録なのに全部が全部新鮮で、結構楽しめます。

そんなご利益もあるので、研究に励んでいるかたは、事細かにログブックをつけておくといいかもしれません。


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