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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

不足

数日前に、妊婦さんの容態が悪くなったときに搬送先の病院がなかなか見つからず、結果としてお亡くなりになってしまったことに関する裁判の判決結果を新聞で読みました。原告側の請求は棄却されたのですが[←指摘により修正]、こういうニュースを目にするたびに、産科医をもっと増やせないものなのかと思ってしまいます。

前にも書いたことありますが(*)、医師数全体は減っていないのに、産科医や外科医が激減、眼科医や精神科医が増えているのだそうです。産科医や外科医などは非常に激務、だからといって報酬が多いわけではなく、おまけに今回のように訴えられるケースも少なくない(訴えることを否定しているわけではありません)。現状の制度では産科医や外科医などの命に直結する分野の医者になんてなりたくないと思うのが普通だというのが、内外の共通認識のようです。それでも、そういう大変な産科医や外科医になろうとする人を私は尊敬するのですが、私が尊敬したからといってそういう専門の医者が増えるわけではありません。

医者不足の問題を考えると、高校の理科教師不足を私は思い出してしまいます。最近は物理を勉強する学生がどんどん減っています。その結果、物理を熱意をもって教えられる高校の教員が減って、ますます物理離れが加速。物理を選択する学生が減りますから、物理を専門とする理科教師の数が減らされます。すると、化学や生物を専門とする教師が物理を教えざるを得ないケースが発生。専門ではないのですから、物理の面白さを化学や生物のように(その人の専門科目のように)伝えるのはなかなか難しいです。その結果として、さらに学生は物理を敬遠…というまさに負のスパイラルが理科、特に物理教育の現場で発生しています。

それに拍車をかけるように、物理を選択する学生が少ないのだからという理由で、物理の教師が何10年も採用されないという高校が多く、教える技術の伝承すらできなくて困っているという悲鳴を高校教師の方たちからよく聞きます。

希望する医師が少ないのだから産科医・外科医がが少なくて仕方がない。物理をやる学生が少ないのだから物理教師を減らすのは当然。というのがお役人の論理なんだと思いますが、物理嫌いの負のスパイラル同様、産科医・外科医が減れば激務度がより増し、さらに敬遠されるというこれまた負のスパイラルが発生するのが目に見えています。こういう負のスパイラルを断ち切ることがいいのか悪いのか議論のあるところだと思いますが(当然、私はどっちの負の連鎖も断ち切りたい派ですが)、良い悪いは別として、行政っぷりを見るとお役人の判断は負のスパイラルを是としているように見えます。文句を言うとかの前に、お役人の論理ではなぜそれが是なのか非常に興味があります。なんでなんだろう…。

(*) 最近のネタは、昔書いたネタとよくかぶってますね。
修論や卒業研究が終わり、ゼミも今は中断してるので、日々のネタに不足してるからです…。

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