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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

検出器の様子

8月10日のエントリーに書きましたが、巨大加速器LHCへのビームの入射に関する記者会見(テレビ中継?)が9月10日に予定されています。その日実際に何をしてどういう様子をマスコミに見せるのか知りませんが、今日は加速器ではなく、私たち検出器サイドではどんなことをしているのか簡単に書いてみます。

加速器が地下100mに設置されているので、ビーム同士が衝突する地点の周りを囲むように設置される検出器も当然地下100mです。検出器自身の設置はすでに終わっていて、今は一言で言うと、検出器の調整をしています。調整と言ってもホントは一言で済むような話ではなくて、様々なことが行われています。デジカメの画素数数百万ですが、検出器の読み出し系の最小単位で数えると多分数億チャンネルあるので、それらの動作確認をするだけでも大変です。それに加えて大変なのは、DAQ(Data Acquisition)と呼ばれる読み出しのテストです。数億チャンネルが同じ検出器で同じ読み出しシステムなら話は早いのですが、個々の検出器によってシステムが全く異なります。異なった読み出しシステムを持つ個々の検出器からの信号をまとめて読み出すのが大仕事です。今は、各検出器からの信号を統一的に読み出して、ビームが衝突した時のデータ収集に備えている、というのが一番のアクティビティでしょうか。

それ以外にも調整すべきことは山ほどあります。例えば、ある粒子が検出器に入射したときに、もし同じエネルギーの粒子が入射したら、同じ検出器なら同じ反応をしてもらわないと困ります。その反応から入射粒子のエネルギーを推定するわけですから。ということで、個々の検出器の反応が同じになるようにそろえたり、あるいは、粒子の位置を測定するなら、検出器の位置が精度良くわかっていないとなりません。そこで、検出器に入射してきた宇宙線を基準に、個々の検出器の位置を精度良く理解する作業なども行われます。

他にも説明しきれないほど色々な調整作業が行われていて、それと並行して問題のある検出器の修理なども行われています。私が特にかかわっている検出器はシリコン半導体を使う検出器なのですが、放射線による検出器のダメージを少なくするために、検出器はマイナス8℃近くにまで冷却されます。この冷却装置というのがずっと問題を抱えていて、数ヶ月間それも複数回検出器を作動させることができないというトラブルを起こしたことがあります。今もまた小さなトラブルが見つかっていて、その復旧作業なども進められています。


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