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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

研究所の一般公開

私たちの実験というのは、何度か書いた事ありますが、直径9キロの巨大円形加速器を使って行います。この実験に限らず高エネルギー実験というのは、粒子を光速近くにまで加速するための巨大加速器が必要になるため、大学では実験を行えず、そういう巨大な加速器のある巨大な研究所で行います。有名なスーパーカミオカンデというのは、加速器を使わず宇宙から飛んで来る宇宙線を利用した高エネルギー実験で、その前のカミオカンデと合わせ、非加速器高エネルギー物理という新しいジャンルを切り拓いた加速器にばかり目を向けがちだった高エネルギー業界に非加速器実験を見直させた、という意味で重要です。

ではそんなに大きな施設を備えた研究所がたくさんあるのかというと、当然そんなことはなくて、世界でも数えるほどしかありません。今やってる実験は、スイスのジュネーブ近郊のCERN(欧州原子核研究機構)というところでやっています。それに匹敵するような研究所がアメリカのシカゴ郊外のFermilb(フェルミ国立加速器研究所)、ドイツ・ハンブルク近郊のDESY、そして日本では茨城県つくば市のKEKです。他にもアメリカのスタンフォード大学付属加速器センターなど、かつてはもっと高エネルギー実験をやっている研究所はあったのですが、最近の世界的不況、あるいは商業主義の繁栄のあおりで、元々高エネルギー物理の研究所だったものが、実験のターゲットを物性などの分野にシフトして、伝統的な高エネルギー物理の実験施設として稼働しているのは、上記の4カ所くらいになっています。その中で、日本では素粒子・原子核・物性で共同利用できるJ-PARCという新しい大型加速器を茨城県東海村に建設中で、世界的に見るとなかなか頑張っているという状況です。
…誤解無いように補足しておきますが、もちろんここに書いた研究所以外でも高エネルギー物理の実験をしてるところはあります。あくまでメジャーなところを説明しているだけです。

そういう巨大な施設ですから、一般の人にも一見の価値はあると思います。何してるかよくわからなくても、巨大かつ精密な設備を見て科学技術の最先端の様子を見るのは、それなりに面白いのではないかと思います。実際、見てみたいという人も結構いるようで、どこの研究所でも一般の人向けの見学に力を入れています。特にCERNの見学施設は凄く力が入っていて、私も子供と一緒に行ったことありますが、結構楽しめます。実際、遠足やら、一般人の観光コース(?)にもなっているようで、大型バスが毎日のように見学の人を連れて来ています。

日本のKEKでも見学ができます。しかも、通常と違ってまる一日一般公開という日があって、その日は普段見ることができない施設を見学できたり、様々な催しがあります。それが、KEK open houseというもので、お近くにお住まいの方、あるいは東京からならつくばエクスプレスで1時間ちょいで行けますので、興味のある方はぜひ訪れてみて下さい。関西圏には残念ながら高エネルギー実験できるような施設ないのですが、わりと大型な加速器という意味では、兵庫県の播磨にSPring-8というものがあります。私も行ったことはないのですが、毎年4月末くらいに一般公開があるようです。


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この記事のコメント

お若いの、ちょっと違っとるな。

非加速器高エネルギー物理なんぞというもんは、昔から宇宙線実験とゆうてそれは盛んにおこなわれとったんじゃ。そおいえば小柴の爺さんも最初は宇宙線の人だったんじゃが。DESYでの活躍が目立っていたから若いモンには加速器実験の人と思われとるのかのう。

DESYと言えば、やつらもすっかり高エネルギーの看板を下してしまったようじゃの。PETRA-IIIとかFELとか、カネもうけになりそうなことばかりに走る様は見苦しい。嘆かわしいことじゃ。

こんな老人の愚痴につきあってもらってすまんかった。 つい若い人の細かいことに口出ししたがるのは年寄の悪いクセじゃ。忘れてくれ。
2008-08-23 Sat 13:57 | URL | 爺さん [ 編集]
「爺さん」さん、

ご指摘ありがとうございます。

おっしゃる通り、加速器が建設される以前は宇宙線や線源に頼っていたわけですから、カミオカンデが非加速器高エネルギー云々の記述は正しい表現ではないですね。訂正しておきます。

ブログ管理人
2008-08-27 Wed 02:04 | URL | ExtraDimension [ 編集]

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