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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

ビーム入射予定日

読んでる人なんていないだろうと思っていたこのブログですが、1ヶ月ちょい前にトラックバックされてるのに気づいて、奇特な人もいるもんだと思っていました。ところが、一週間くらい前にこのブログの存在を知っているという学生に会って、さらに今日また別のトラックバックがあるのに気づいて、奇特な人の多さに驚きました。しかも、そのトラバ先は我々がやっている実験関係のニュースを紹介。最新ニュースです。私も負けられないので(?)たまには実験のニュースです。

ここに詳しく(英語で)書いてありますが、LHCという円周約27kmの巨大加速器にビームを入射する日が9月10日に決定したとプレスリリースがありました。(なので、新聞のニュースにまでなってるわけですね。)その日はスイスの研究所に報道陣を読んで、リアルタイムでビーム入射の様子を各国に配信するんだそうです。この予定はずーっと前から決まっていたのですが、予定が遅れに遅れて、その日がいつになるのか長い間未定でした。そのX-dayがようやく決まったわけですね。

とは言うものの、本格的に実験が開始されるのはまだだいぶ先の話です。9月10日に行われるのはLHCの前段階の加速器から(高エネルギーの加速器では加速器1台で最高エネルギーまで加速するのではなく、幾つかの加速器を繋げて徐々に加速していきます)0.45TeVというエネルギーのビームをLHCに入射するという作業です。最初はうまく入射できるかどうか、次にLHCの一部分を通過させることができるかどうか、そして次に27kmの周長のリングを一周させることができるかどうか…というテストを徐々に行っていくことになります。さらに安定してビームを周回させることができるようになって初めてビームを加速させます。設計値では0.45から7TeVまで加速させますが、現状の加速器の磁石の性能ではとりあえず5TeVまで加速させることになっています。来年の春先に磁石のtuningを行って7TeVまで行くのが現在の計画です。

ちなみに、TeVというのは10の12乗eV(エレクトロン・ボルト)の略です。エレクトロン・ボルトというのはその名の通り一個の電子を1ボルトの電位差上昇させるエネルギーです。なのでTeVというのはとんでもないエネルギーです。でもって、7TeVの陽子同士を正面衝突させて14TeVのエネルギーを生成するというのが我々の実験計画なわけです。現状の世界最高エネルギーが2TeV弱なのですが、その実験で発見できなかったヒッグスボソンと言われる粒子など、これまでに未発見の現象を探すのが我々の実験の目的です。


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