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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

その後の感想

先月は事業仕分けに振り回された(というのは言い過ぎかもしれませんが)1ヶ月間でした。少し間をおいた今の感想をちょっと書いてみます。

前にも書いたはずですが、事業仕分けそのものは画期的で、天下りをはじめとする行政の無駄を洗い出すという原理には強く賛同します。ただし、今回用いられた手法に関して(全ての予算ではなく財務省主導(あるいはロビー活動の多寡によって?)で15%程度の予算要求に対して仕分け対象となった点、十分な議論がなされない、させない点、仕分け人がどうやって選ばれているのか不透明、結論ありきと思わせるような決定に対する疑念を抱かせる点等々)は疑問が多過ぎて、その結果出された科学技術関連予算の削減、特に若手育成、女性支援の事業を縮小するのは納得いかない、という意見に変わりはありません。

ただ、手法がダメダメだったことを忘れて、仕分けにより無駄を排除するという原点に返って物事を眺めると、大学の運営費交付金や大型科学予算に関しては無駄を指摘されても仕方がない面があると思っています。このブログを長い間読んでる方ならご存知かもしれませんが、そもそも、私は研究費の配分が不合理で納得がいかないと何度も憤ってきました。私はATLAS実験を始める前は、アメリカの大学・研究機関を渡り歩きました(学生の頃は日本でしたが、お金のことはよくわかっていなかったので割愛)。そこでの予算の使われ方は日本に比べると遥かにすっきりしていて、ATLAS実験に参加している日本の大学の予算の使い方の不明瞭さには今でも辟易としています。ときに、予算のことでは自分より立場が上の人に喧嘩腰で文句を言ったことが何度もあります。

まあ、私の知っている範囲で浪費された金額なんてnegligibleなのかもしれませんが、こういう体質を見てると、科学技術予算という錦の御旗のもとに多くの無駄な予算が使われているのではないかと思ってしまいます。大学でも同様で、なんでこういう予算があるんだろうとか、なんでこういう人が雇われているんだろうと思うことが少なくありません(そういうお前が雇われていることが一番の謎だとツッコまれると、返す言葉がないので、そういうツッコミは却下します。ははは。)。ただ逆に、なんでこういうところに予算がないんだろうとか、なんでもっと優秀な人をこういうところに雇えないんだろう、と思うことが多いのも事実です。

ということをひっくるめて考えると、結論としては、科学技術関連予算にも確かに無駄はある。が、現実に不足している部分もある。なので、無駄がなくなるような配分や仕組みが必要だと強く感じています。それがないと、本当に予算が不足しているのか、充足しているのかわかりません。ということで、大学の運営費交付金やら、大型プロジェクト予算に関しては、単に予算削減に反対するのはちと理不尽かなと思っています。

もちろん、一般論として科学技術関連の予算を減らすことには大反対だし、学振の研究員予算などの若手支援は絶対に減らすべきではないと考えています。


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この記事のコメント

私も研究者をしていたころは、研究予算にもかなりの無駄があると感じていましたし、そういうことに国費を使っているのが非常にイヤでした。

今回のExtradimensionさんのご意見には、私も強く共感いるところです。

今回の予算削減騒動を通して、研究者自身がお金の使い方や予算分配の方法を見直してみるのもよいと思います。(少なくとも、国際会議出張がやたらと多い人やら毎年ノートパソコンを買い替える人やらがいるのはどうかと思います。さらに、購入する物品の選び方や必要性の感じ方も、一般の人の考え方からかなりかけ離れていますし。その辺もよく考え直す必要があると考えます。)


大型プロジェクトに関してですが、個人的には、予算を一本化して、その予算の使い方をコラボレータで議論して分配し使っていくのがよいと考えています。

また、PDもプロジェクト予算で雇い、学振PDとか研究所が研究所の予算で雇うPDについては、やめるかまたは数を絞るのが良いのではないかと思っています。

研究者の数についても、真の研究者と研究支援者をちゃんと分け、研究者の数を少なくできると思います。(私的には、研究しているように見えて、単に、決められた道を決められたように仕事しているだけの人も少なくないように見ておりました。そういう人たちは、研究支援者として頑張っていただければよいと思います(とくに高エネルギー分野にはありがちです)。)

加えて、研究者だけを育てるのではなく、研究のできる人たち(自分で新しいものを見つけて推進していける人たち)を社会に出していくことも大切だと思います。この点は、今の日本のシステムには足りないところと感じます。

ひとつ、Extradimensionさんと意見が違うのは、若手予算(若手科研費)のあり方です。私は必要ないと思っています。やはり科研費などの研究予算は研究に対してつけるものであって、若手を支援するためにつけるものではないと考えます。教育や人材育成の予算なら、Supervisorやプロジェクトが取ってくるものだと思いますので。したがって、プロジェクト予算の中に、PD(+大学院生も)を雇う予算を計上するなどするべきと考えています。

以上、長くなりましたが、いい研究ができて、いい人材が育ち、そのいくらかが社会に還元できるような体制になるといいと願っています。
2009-12-18 Fri 00:33 | URL | WB [ 編集]
丁寧なコメントをありがとうございます。
WBさんの提案するような予算方式にするには、抜本的な変更が必要ですね。
金額の増減だけでは対応できないので、かなりの大改革ですね。
2009-12-18 Fri 17:50 | URL | ExtraDimension [ 編集]

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