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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

宝島

私たち高エネルギー実験屋は、本来の実験は大学では行っていません。Kaon実験グループは東海村で、私たちATLASグループはご存知のようにCERNで実験を、というように、規模が大きいために到底大学では行えません。ですが、それらの実験で使う検出器の開発等は大学でも行えるので、検出器開発のための実験・測定を行うことになります。Kaonグループでは実際、彼らが本実験で使うカロリメータの中枢となるCsI結晶の光量の測定や、CsIからの光を検出するためのPMTと呼ばれる光検出器の性能評価が佳境となっています。

ところが私たちATLAS実験では、本実験の検出器はできあがったばかり。実験が開始されるというタイミングなので、大学で検出器をじかに触るようなプロジェクトがありません。学生にとって、特に博士過程まで進学しこの業界で生きていこうとする学生にとって、ハードウェアを触る機会がないのは良くないですし、私自身の興味もあって、KEKの測定器開発室という所で行われている新型シリコン検出器開発計画に参加しています。昨年はこの実験で修論を書いた学生が一人。そして今年も修士課程の学生がKEKに長期滞在して実験を行っています。

研究開発の最前線であるKEKで研究活動を行うのはとても良いことですし、不可欠なのですが、やはり、大学の研究室でも最低限の実験はやりたい、という想いが強く、少ない研究費をやりくりしてなんとか最低限の実験設備を整えようと画策しています。ただ、値段を逐一調べてみると、Fermilabにいたときに当たり前のように転がっていた機材や、KEKでゴロゴロしている機材が一々非常に高価なんですね。博士課程の学生だった時から現職に就くまでは、ほとんどの期間をFermilabかKEKで過ごしていたので、実験機材という面では非常に充実した環境にいました。それを当たり前のように感じていましたが、こうして自分で機材を買い集める立場になると、大型研究所というのは本当に宝島ですね。

今一番欲しいのが、シリコンセンサーに逆バイアス電圧をかけるための電源。電圧をかけると同時に電流を精度よく測定できるものが欲しいのですが、必要と思われる印可電圧と電流測定の分解能を満たすものはかなりの値段で、一番安い物でも60万円以上します。この間KEKに行った時も何人かの人にもっと安いのないかと訊いてみたのですが、安い物は印可電圧か電流測定の分解能のどちらかが不足。ということで、最近は中古品も含めて探しているのですが、なかなか欲しい物は見つかりません…。


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この記事のコメント

ソースメーター高いですよね。
普通の電源と電流計だとダメなのでしょうか?
2009-12-07 Mon 18:20 | URL | 中村 [ 編集]
> ソースメーター高いですよね。
> 普通の電源と電流計だとダメなのでしょうか?

最終的にはそうなりそうなのですが、電流計を買うにしても
ソースメータと同じくらいの感度・分解能のあるやつだと
それなりに高いので、合わせて調査中です。
2009-12-07 Mon 19:53 | URL | ExtraDimension [ 編集]
余っている電流計を宝島で探して借りればいいのでは?
ソースメーターは厳しくても電流計くらいは(古くて良ければ)一台くらい見つかる気がする。
2009-12-08 Tue 09:51 | URL | 中村 [ 編集]
> 余っている電流計を宝島で探して借りればいいのでは?
> ソースメーターは厳しくても電流計くらいは(古くて良ければ)一台くらい見つかる気がする。

次回宝島に行った時に相談します。
2009-12-08 Tue 18:11 | URL | ExtraDimension [ 編集]

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