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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

読者のみなさんへのお願い

今回の事業仕分けで日本の科学技術政策に危機を感じているみなさんが多いと思います。そこで読者のみなさんにお願いがあります。高エネルギー業界の人や、学術関係者の方はすでに受け取っている方も多いかもしれませんが、以下に日本学術振興会・学術システム研究センター・副所長の黒木登志夫氏のメッセージを載せます。政府に対して効果のある意見は、我々研究者が組織として送るメッセージよりも納税者である個人の意見だと思います。以下のメッセージにあるような行動をとっていただきたく、何卒お願い申し上げます。

特に私が許せないと思うのは人材育成関連の、若手支援、女性研究者支援の予算のカットです。涙が出るくらい、というか本当に泣きましたが、悔しいです。

ご家族、親戚、知人友人などにもぜひ呼びかけてください。お願いします。

引用開始--->

(どうぞ自由に周囲に転送ねがいます)

再度のお願いです。ここ1週間、事業仕分けに関するいくつかの
緊急集会に出席しましたが、そこで得た感触は、

1.事態はきわめて深刻で、日本の学術(とくに自然科学系)に、
 とり返しのつかない打撃となる(※1)可能性が、きわめて高い。
2.それに対して、有効な戦術を誰もきちんと提示できない。

という2点でした。それに加えて、

3. 仕分けそのものは、国民のきわめて高い支持を得ている。

もきわめて重要です。さらに物事は急ピッチで進み、

4. あさって11/30に、仕分けの最終結果が報告される。
5. それを受けて、予算に対して12/19(?)に最終的な政治判断
 がされる。

と聞いています(この部分、認識違いがあればごめんなさい)。

そこで再度のお願いですが;

○ まだの方はぜひ12/15までに文科省に意見をメールしてください。
http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/sassin/1286925.htm
 これは事業により宛先が違っていて、メールの件名に
   件名:事業番号と事業名
 と書くことになっています。たとえば学振特別研究員制度
 なら、施策番号は(たぶん)100、施策名は「特別研究員事業」、
宛先はnak-got@mext.go.jp(※2)だと思います(各自で再確認
 を願います)。

○ こちらもまだの方はできるだけ早く、民主党Webサイト
http://www.dpj.or.jp/header/form/index.html
 に意見をたくさん伝えて下さい。この場合も上記 3.によく
 留意しつつ、「**に関する仕分けの結論は、民主党の
 (たとえば教育を拡充するという)マニフェストに矛盾して
 いる」「Webに公開されている仕分けの意見の&&&の部分は、
 これこれの事実に反しており、事実誤認である」「これでは
 公約違反であり、ぜひ修正をお願いしたい」といった、
 ディベートの基本に則った書き方が有効と思います。

○ いずれの場合も、たとえば学振DC/PDがこのように高い
 生産性をもつ(あるプロジェクトにおける論文成算数など)
 といった、具体的で客観性の高い数値を、簡単に付けると
 効果が上がると思います。

○ それぞれの地方で、選出された民主党議員に対し、ぜひ
 大至急、意見を送ってください。多くの議員は、自分のHP
 で意見を受け付けているはずです(※3)。もし個人的に
 知己の議員がいれば、なお良いと思います。

○ ご自分だけでなく、ご家族、知人友人、あらゆる方にアク
 ションするよう伝えてください。とくにAcademic sector
ではなく、産業界などに属する方の意見は、効果的です。
 あなたの親戚、先輩、昔の同級生などに、賛同してくれそう
 な方がおられたら、ぜひ声をかけて下さい。

○ 他に有効な戦術(の候補)をお持ちの方は、ぜひお知らせ
 ください。

日本の学術が根底から破壊され、後世に多大な禍根を残すこと
の無いよう、皆さんの迅速な行動を切望いたします。

[注]
ここにオリジナルの文章作成者の名前がありますが、このブログの性質上名前は載せないことにしました。
[注,終わり]

(※1)
以下は、このまま物事が進んだ場合に危惧される影響の例です。
正確さを欠く部分があれば、ご容赦ください。
http://www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/h-kekka/3kekka.html#1113
○学振特別研究員が大幅にカットされ、来年度の採用内々定が
 キャンセルになる危険性が多々あります。
○科研費も厳しく絞り込まれるでしょう。内約された継続課題
 さえ、安泰とは思えません。
○国立大学の設置形態そのものが根本から覆る可能性があります。
 さすがにその議論は時間を要するでしょうが、運営費交付金が
 さらに厳しく削減されることは想像に難くありません。
○「すばる」、Super Kamiokandeなどの運転が難しくなり、ALMA
 の建設への国際貢献が滞る危険性があります。
○文科省として予算の総枠が厳しく圧縮される結果、「仕分け」
 対象にならなかった事業にまで影響が及ぶ可能性があります。

(※2)
この宛先の nak は、中川正春・文科副大臣(民主党三重2区選出
の衆議院議員)のことで、彼が文科省関係の事業の1/2について、
パブリックコメントを取り纏める立場にあることを示しています。
残りはもう1人の副大臣である、

(※3)
第173会議臨時国会は、11/30まで会期延長されているので、
 http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index.htm
地元には居ないでしょうが、おそらく秘書が読むでしょう。

<---引用終わり


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この記事のコメント

事業仕分けは、画期的な事件でしたね。
如何に日本の官僚が腐敗しているかを明らかにしました。このような行政では、日本だけが落ち込むのも当然です。
知識時代に、官僚が愚民化政策を行う国が成長する筈がありません。
科学振興と愚民化、あまりにもデタラメです。
子供に大切な文科省と学校が、どれほど腐っているかを知っていますか。
大学を天下り機関に変え、世界最低にまで堕落させたのは、文科省官僚です。
不登校、退学者20万人、引きこもり、ニート60万人を作る学校は、教育機関と名乗る資格もありません。学習塾や家庭教師に助けられる学校教員は、現在の半分の給与さえ受け取る権利が無いと思います。
文科省こそ、日本社会を衰弱させ、子供を不幸にする悪性癌です。「『おバカ教育』の構造」(阿吽正望 日新報道)を読むと、すべてのイカサマが分かります。絶対に許せません。
不道徳で無責任な腐敗官僚の行う事業は、国民にとって危険です。
事業仕分けで、文科省を廃止する必要があるとさえ思います。
2009-11-28 Sat 17:46 | URL | 大和 [ 編集]
素粒子・宇宙物理に興味を持つ一技術者です。大学で物理を学んだのはもう十数年前ですが、まだ興味だけはあり、最近の高エネルギー物理関連の動向等を知るために楽しくブログを拝見しています。

よく科学技術は「将来への投資」と言われますが、こと素粒子・宇宙物理等の基礎科学分野に関してはスピンオフ技術の活用を除けば研究成果が直接実生活と結びつくことはほぼなく、一般納税者からすれば「将来への投資」ですらありません。

「ここは事業の重要性ではなく、優先度、不要不急かどうかを判断する場」の論理で無駄を定義するのであれば、素粒子・宇宙物理等の基礎研究は、存在そのものが無駄と判定されてしまいます。そして、それは仕分け人が悪いわけではありません。

私達はどのような世界(時間・空間・物質)を生きているのかを少しずつ理解し、人類共有の知識として増やすことは人類にとって決して無駄なことではないと考えています。また、経済大国である日本は、その予算の何パーセントかをこれら人類共有の知の探求に振り向ける義務があると思っています。

財務省には財務省の論理があり、文科省には文科省の論理があります。私も私の論理で、文科省にメールをしました。(暗黒エネルギーはともかく、暗黒物質は何かを知ってから死にたい。ATLASだけじゃなく、すばるも、SKも、Bも、ALMAもまだまだ新しい結果が知りたい!)。現場は戦々恐々だと思いますが、がんばってください。これからもブログの更新を楽しみにしています。
2009-11-28 Sat 23:27 | URL | かつて物理を学んだコンピュータ技術者 [ 編集]
丁寧なコメント大変ありがとうございます。

今回おもいきってお願いしたのは、素粒子物理学を守るためというよりも(もちろん素粒子物理学を愛していますので、守れるものなら守りたいですが)、この流れが続くと科学全体の危機だと感じたからです。

コンピューター技術屋さんがおっしゃるように、素粒子物理学や宇宙論が将来への投資と主張するのは無理があると思います。私個人は素粒子物理学って音楽や絵画などの芸術、あるいは哲学と同じようなものだと感じています。無くても生活に困らないけど、あったほうが断然楽しいし、人間が人間らしく生きるためにはあったほうがよい、その程度(という言い方はしたくはありませんが)のものだと思います。

ただ、一つだけ私たちが忘れてならないと思うことは、人間は自然を宇宙を全く理解していないということです。量子力学や一般相対性理論が人類の生活に役立つとはシュレディンガーやアインシュタインは思っていなかったと思うのですが、今では結構役立っていますよね。こういうパラダイムシフトは誰にも予想がつかず、起こってみて初めてわかります。古典力学が量子力学の近似とわかったように、量子力学や相対性理論が真と思われる理論の近似であるというパラダイムシフトが将来あるのかもしれません。パラダイムシフトの後では今研究していることが必須、不可欠の世界があるのかもしれません。

ただ、パラダイムシフトを予想することができませんし、その期待値がどれくらいなのかわかりません。それゆえ、どれくらいの投資が必要なのかを定量的に評価することなんて不可能です。でも、量子力学や相対性原理を越えるパラダイムシフトがあるとしたら1兆円はおろか1京円くらい投資する価値があるのではないかと思ってしまいます。(まあ、この数字は何の根拠もない大風呂敷なので間に受けないでくださいね。)

仕分けの場で経済的な対価の期待値に基づく議論しかできないなら、科学技術、特に基礎科学をディフェンスするのはほぼ不可能でしょう。また実際、仕分けはそういう場でしたから、ディフェンスできなかったことや、仕分け人を批判するつもりはありません。そういう場で科学技術を議論することが適切でないと考えていますし、そういう異質の尺度の場で議論しようとしたことに憤りを感じます。
2009-11-29 Sun 12:13 | URL | ExtraDimension [ 編集]

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