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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

早くデータが欲しい

ミーティングに出ると思うのですが、LHCのビーム衝突データが待ち遠しいですね。何を今更というコメントですが、現場に来て、色んなミーティングで発表を聞くと強くそう思います。というのも、データがないがために、そこまでやるかというくらい色んなことを調べたり、そういう研究テーマを捻り出すか、というような発表が結構あります。発表も研究内容もクオリティが悪いわけではないのですが、それをやったからって、ヒッグスやSUSYを探すのにより有利になるとか、そういう話ではないわけです。

例えば、すごーく頑張ってある特定の検出器のある部分の調整をしたとしましょう。ある段階までは何らかの測定精度を上げるのに役立ちますが、あるところまで来ると、その測定器の調整をいくら頑張っても別の原因のために、最終的な測定精度を上げることができなくなったりします。検出器の性能をフルに発揮させるという意味では確かにやる価値があるのかもしれませんが、物理解析の結果には影響を与えない、というようなこともあるわけです。普通はそんなことをやりませんし、そういうことをやる前にデータが来て、もっと他にやるべきことがたくさんできてしまいます。ところが、LHCでは人が多い上にデータがないので、そういう物理結果に影響がないと思えるようなところまで研究を進めている場合があります。こういう状況を目の当たりにすると、冒頭に書いたような当たり前の感想を持ってしまいます。

しかし、何度も書いていますが、博士課程の学生とかポスドクの人にとっては死活問題です。タイムスパンの長い高エネルギー実験の世界では、テーマ選びがどれくらいの期間でD論を書けるかを決めるわけですが、これだけ実験が遅れることを予想するのはなかなか難しいのではないかと思います。とりわけ、何事も予定通りに進む日本で生まれ育った学生には、予定がどれくらい遅れるかを予想するという作業は難しいのではないかと思ったりします。
…なんて書いていますが、実は他人事ではなく、自分の学生やポスドクもそうですし、自分自身にも影響があります。タイミングよく(?)今が科研費申請の時期なので思うわけですが、これだけの遅れを想定して研究計画を立てるのは至難の業です。

今度こそは本当にビーム衝突が始まって欲しいです。ちなみに、現段階ではトラブルの話は聞こえてこないので、予定通り11月中旬から末頃にはビームをLHCに入射できるのではないかと思っています。


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