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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

CERNに到着

昨日の夜23時くらいにCERNに着きました。今回はいつもよりちょっとだけ長旅で、家を出てから宿舎に着くまでまるまる24時間かかりました。途中トラブルがあったわけではなく、アムステルダム乗り継ぎの際に、待ち時間が4、5時間というフライトしか取れなかったからです。通常だと待ち時間2、3時間のことが多いので、その分を考慮に入れると、旅自体はいつもと同じかいつもよりもスムースでした。しかも今回はoverbookingでpremium economyというエコノミーよりもちょっと広い席にただでアップグレードされたので、成田・アムステルダム間がいつもよりもだいぶ楽でした。なにしろJALのエコノミーは世界一(?)狭いですからね。

さて、CERNに(からの)移動の際にいつも書いているフライト中の映画の話ですが、今回は「Always 三丁目の夕日」を見て、これまたいつも通り大泣きしました。泣くぞ、と身構えて見ているので、食事の時のでかいナプキンを用意しておいて、涙が出ても鼻水が垂れても大丈夫な体勢で見ましたが、もう、ナプキンが足りないくらい色々液体が出ました。「うわー、わざとらしい泣かせるための演出だ」と頭の片隅で思いながら、大泣きしてしまうんですね。自分でも不思議なくらいです。カラオケで叫んでストレス発散するのと同じように、ある種のストレス発散メカニズムだったりするんでしょうかね。

もう一本が、あの「天使と悪魔」。冒頭にCERNが出てくるシーンが一番の見せ場ですかね。我々にとってはつっこみどころ満載で、東大の早野教授でしたか、真面目な回答を(宣伝も兼ねて?科学者の使命として?)発表していましたが、その気持ちがわかりました。まず一番最初…白衣を着ている素粒子物理学者にはなかなかお目にかかれません。科学者=白衣というステレオタイプっぷりにまずは爆笑。

そして、LHCのコントロールルームとおぼしき場所でのシーンなのですが、イベントディスプレイや加速器屋さんがカッコよすぎで、ここは笑うのではなく、おーいい宣伝だと拍手でした。いや、しかし、あんなに簡単にビームを加速できるといいんですけんどね…。ルミノシティ(そういう言葉を映画中では使っていませんでした)が簡単に10^34に到達してるのも素晴らしかったです。ちゃんと取材してるんだなぁ、って。ただ、加速器っておもいっきりナマモノで、世間の人が思ってるほどコントロールできてないんですね。ルミノシティ上げようと思って色々やって、なんかわからんけど、段々ルミノシティ上がってきた、みたいな感じなんですね。実験屋でも加速器屋と一緒に仕事しないとわからないのですが、あまりにも莫大なシステムで、莫大な系なので、人間がビームを完全にコントロールするというのは非常に難しいです。なんかわからんけど、こうやったら上手く行った。こうやったら上手く行かなかった。という、ある種の経験則をもとに、後から加速器の挙動を理解していく、というのが、特に、立ち上げ時の加速器です。

あ、それからこういうシーンもありました。「陽子が光速の99%にまで加速された。」とビームの衝突、反物質の生成を待つシーンです。えっ、99%???加速器はLHCではないのですか?いや、もちろん、反物質作るだけならLHCでやる必要は全くないのですが、ATLASやCMSという言葉まで出てきてるのに、いつのまにか低ネルギーの実験になってます。今、計算しましたが、光速の99%では、陽子の場合運動量7GeV程度しかありません。どっかのLinacかPSでのエネルギーです。LHCでは入射時のエネルギーは450GeVです。

…と、こんなの単なる演出なんだから、ということはわかっていますが、それを分かった上でこっちもツッコみを入れて楽しんでいます。


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