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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

学会3日目

一昨日と昨日が、学会初日、2日目というネタでしたから、今日は当然3日目についてです。

朝イチは素粒子ではなく宇宙線のセッションに出ました。宇宙線のエネルギーの最大値は4か5か6×10の19乗eV(すみません、この辺の数字はよく知りません。オーダーそれくらいだと思ってください)だという理論的根拠があるのですが(GZKカットオフと呼ばれています)、昔、AGASAという観測グループがGZKカットオフを超える超高エネルギー宇宙線を見つけたということで話題になりました。一方HiResというライバルの(?)観測グループもあったのですが、そちらではGZKカットオフを超える宇宙線は見つからず、まあ、観測結果が研究グループによって一致しなかったわけですね。

つまり、統一見解が出なかったために、もっと凄い実験で本当にGZKカットオフを超える高エネルギー宇宙線があるのか探そう、という実験が幾つか提案されました。その一つが、AGASAグループが新たに結成した(?)Telescope Array (TA)というグループで、それとは別のグループにAugerというのがあります。今朝のセッションでは割と最近稼働開始したTAが何か結果を出すのかと思って聞きに行ったのですが、残念ながら解析の現状報告のような形で、オフィシャルに面白い結果は出してきませんでした。

が(!)、TAグループ内でも解析手法に違った意見を持っている人がいるようで、学会のセッションなのに同じグループ内の人同士の熱い議論があったりして、非常に面白かったです。Augerに参加する日本人は少ないと思うのですが、どうやらAugerに参加している人もいるようで、当然そちら側からの厳しい追及もあったりして、議論されている内容は専門家ではないのでわからないことも多かったのですが、熱い議論は非常に楽しめました。高エネルギーはかなり確立されたジャンルになってしまっていて、別々の実験グループで激しく対立する結果が出たりすることがないので、今回の宇宙線のセッションのように盛り上がることがあまりありません。物理はともかく、みんなが激しくやりあうのが活気があっていいですね。

午前中は、TAのあとは中性子を使った物理のセッションに出ました。私たちが通常扱っている粒子はほぼ光速、というような高エネルギーの粒子ですが、非常に運動量の小さい、人間が歩く速度くらいのゆっくりと運動する中性子を使った実験というのが最近流行っています。物理に対するインパクトという点では、もちろん、LHCのような大型実験には勝てませんが、非常にコンパクトな実験で、実験屋が面白いと思えるような実験ネタの宝庫なので、最近は本当に流行っています。

午後はILCというLHCの次(?)の超大型コライダー計画のセッションに出てチャチャを入れた後、私たちの研究室のKaonグループの学生と研究員の人が発表するセッションにいました。発表内容が一般の人に与える印象が相当ネガティブだったのですが、発表はあくまで登壇者が責任を持つべきという思想を持った(?)Y教授が、登壇者を助けなかったのは流石でした。私なんて自分らのやってることにケチをつけられると、すぐに反発してしまうのですが、Y教授は大人です。

そして本日の〆は高エネルギー委員会。色々な会議をサボる私ですが、流石に第1回目は出席しました。高エネルギー委員会は閉ざされた委員会なので、どんな雰囲気で会議が進められるか興味のある人もいるかと思うので、そのうち、このネタでもブログ書きます。今日はもうそれなりに長くなりましたし、疲れたのでこの辺でやめます。


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