FC2ブログ

ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

LHC関連の話

昨日に引き続いてLHC関連の話です。

LHCは故障があると修理に時間がかかります。特に何に時間がかかるかというと、修理や点検以外に、超伝導電磁石が陽子を曲げるために使われているため、温度を上げたり下げたりするのに非常に時間を費やします。1周27kmのリングを8等分して、各セクターごとに温度の上げ下げをするのですが、1つのセクターの温度の上げ下げだけでオーダー1ヶ月かかってしまいます。

しかも、今回のシャットダウンのように全周の点検やら修理をやろうとするとき問題になるのが、ヘリウムの保管場所です。超伝導電磁石の温度を上げるということは冷却のための液体ヘリウムをどこかに移動させなければなりません。ところが、1つや2つ(?)のセクター分のヘリウムは貯蔵する場所があるのですが、全てのセクターを冷やすために使われていたヘリウムを同時に貯蔵する場所がないんだそうです。このため、全てのセクターの温度を同時に上げて、その後並行して点検修理、そしてまたヘリウムを元に戻して電磁石を冷やす、ということができないのだそうです…。だから、いくつかのセクターごとに作業をしてるんですね。ということを、この前のなんちゃら小委員会のときに教えてもらいました。

いやー、やっぱり、27kmに渡って3K以下の温度を保つというのは尋常ではありませんね。そうそう、前にも書いたかもしれませんが、(陽)電子を使ったコライダー実験では、電子を加速するための加速空洞というものが多くの電力を消費します。が、LHCは巨大ですが、陽子を加速させにはそんなに電力が必要ではないので、LHCの運転でかかる電気代の多くは超伝導磁石を冷やすためのヘリウム(と窒素)を冷却するための電気代です。


研究 | コメント:0 | トラックバック:0 |
<<研究会 | HOME | LHC再開シナリオ>>

この記事のコメント

コメントの投稿















コメント非公開の場合はチェック

この記事のトラックバック

| HOME |