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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

発想の違い

研究のためにアメリカに住み始めた頃、ささいなことですが驚いたというか感心したことが2つありました。

1つは物を作る時に、いかにいい加減に作ってもちゃんと完成するように考えられていることです。例えば、組み立て式の家具を買ってきたとします。日本製だったら、正確な位置に穴があって気持ちよく組み立てられます。が、なにかの手違いで一箇所穴の位置がずれていると、わずかなずれでも組み立てるのが大変になります。

ところがアメリカ製品には、穴がネジよりも大きく遊びをもたせてあるものが結構あります。あるいは穴が円ではなく細長い棒状になっていて、お互いの位置関係がきっちりしてなくても大きめのワッシャーをかませばちゃんと完成するようになってるんですね。家具だけでなく、実験で使う器具にも同じような工夫をしてあることが多々あります。

日本人だといかに正確に仕事をこなすかに腐心しますが、彼らは最初から精度の高い仕事を諦めて(?)、いい加減な作業でも不具合が起きないように物を設計することに腐心するんですね。どっちがいいとか悪いの問題ではなくて、物事に対する最初の立ち位置が全く違うなぁと驚いたものです。あるいは、失敗することを前提に物事を考えるんですね。失敗しないように気をつけるのではなく、失敗しても大きなダメージを受けないための工夫に時間を費やすんですね。

ちなみに、ホンダやトヨタみたいな物作りの会社が外国で製品を作る時には、同じような問題に取り組むんだそうです。日本人とアメリカ人の工場労働者の仕事ぶりを比べると、明らかに日本人のほうがクオリティコントロールが高いわけです。なので、同じような設計をするとアメリカ人労働者を使った場合歩留まりが悪くなってしまいます。あるいは故障を多発するとか。そこで、いくらいい加減に作ってもクオリティが落ちないようにするための、部品の設計やら、組み立て工程ということまで考えるのだそうです。

もう一つ驚いたことが定規です。日本の定規だと、例えば30cmのものなら、1cm刻みに目盛りがあり、さらに1cmを10等分する1mm刻みの目盛りがあったりしますよね。アメリカではインチを使いますから10インチとかの定規なわけですが、驚いたのは1インチ以下の目盛りの振り方です。日本人だったら0.1インチ刻みに目盛ると思うのですが、彼らのは1/2インチ、1/4インチ、1/8インチ、、、というように目盛られているんです。

最初使ったときは何の疑いもなく1インチが10等分されていると思い、0.3インチを測ろうとしたんですね。ところが0.3と思った長さがなんとなく7.5mm(1インチ=2.54cmです。確か)には見えなくて、よーく定規を見ると10等分ではなく8等分なんです。いやー、驚きましたよ。周りのアメリカ人に聞いたらそれが当たり前だと言われ、じゃあ0.3インチはどうやって測るのかと尋ねたら「うーん、そんなの測ろうと思ったことない」という返事で、また驚きました。

定規によっては1/8インチではなく1/16インチまで測れるので(1/32インチもあるのかな?)、日本で標準的な1mm刻みに比べて無茶苦茶粗いというわけではありません。が、1/10目盛りに慣れている私にとっては新鮮な発見でした。

…いきなりな話題でしたが、ここ最近のニュースを見ていてなぜかこの話を思い出しました。


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