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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

放射線関連作業の安全講習

今日は放射線関連の作業従事者に対する安全講習がありました。私たちが実験を行っている研究所でもありますし、それとは別に大学でもあります。新規登録者だとほぼ1日かかるような講習ですが、継続者の私たちは2時間ほどの講習です。

大学で扱う放射線発生物のほとんどは放射性同位元素(放射線源、あるいは単に線源と呼びます)なのですが、それには大きく分けて、密封型と非密封型があります。密封型というのは放射性物質が金属などの容器に入っているので放射性物質が空気中に飛散しませんが、非密封というのはその名が示す通り、取り扱いを間違えると空気中に飛散、汚染してしまいます。私たちが使うのは検出器の反応を見るための弱い密封型線源なので、比較的取り扱いが容易です。しかも、私が今のポストについてから2年半ほど経ちますが、大学で(法律的に放射性物質とみなされる)線源を扱ったことはありません。

ということで、放射線作業従事者として大学で登録する必要はなさそうなのですが、研究所で登録する時には所属大学でも作業従事者になっていないとならないらしく、それでやむを得ず登録してます。あとまあ、修士の学生や4年生の実験の手伝いでもしかすると線源を使うことがあるかもしれない、という理由もあります。それも今まではなかったわけですが。

話を安全講習に戻すと、最初の1時間は毎年医療関連の人の講演で結構面白いです。後半1時間は、法令関連、大学の放射線レベルモニターの話などで、起きているのに根性を要する忍耐力をつけるための1時間です。たぶん、話をする人も大変だと思います。というのも、法律で講習の時間を定められているので、面白い話ではないことがわかっているのに義務で話すほうも話しているわけですから。

医療関連の人の講演は放射線と人体の影響を毎年テーマにしていて、今年はチェルノブイリ原発関連の内容でした。色々興味深かったのですが特に印象に残った点を幾つか紹介します。

1つ目は原発の事故直後風が東から西へ吹いていたので、チェルノブイリより西の地域が放射能汚染したことは最初から知られていたのですが、ときおり風向きが変わって南風にもなっていたんだそうです。チェルノブイリの北にはモスクワがあるので、モスクワが汚染してしまうことを避けるためモスクワの南、チェルノブイリの北で人口雨を降らせたんだそうです。しかも当時のソ連は事故が起こったことを公表せず人口降雨も内緒だったそうです。避難勧告も出さず、人口雨を降らせるって、凄いですね。言葉を失いました。ソ連の秘密主義はまだあって、事故が発覚してからも政府はずっと安全だと言う偽情報を流し、さらには外国の研究者をダマすために汚染地域には、汚染されていない地域で取れた食品を優先的に送っていたんだそうです。それでも汚染地域に近いとこにいた科学者や医者は異常に気づいて(放射線の線量を測定する装置がオーバーフローするくらいの線量があったらしい)、家の窓やドアを目張りして、子供たちを半年くらい家から一歩も出さないという自己防衛をしていたそうです。ちなみに、空気中の放射線量をモニターしていた人達は日本ですら原発事故の影響を観測してたそうです。もちろん人体には何の影響もないくらいの微量な変化ですが。

2つ目は人体が受ける放射線量と発癌率の話で、昔このブログにも書いたことあったような気がするのですが、日本その他の地域での自然放射線量に比べて数倍の放射線量の地域に住んでいる人達の発癌率が少ないんだそうです。もちろん発癌は放射線だけによって引き起こされる話ではないのですが、疫学的にそういう傾向があるらしい、という話でした。誰かも言っていましたが、素人考え的には少量の放射線によって免疫活動が活性化されるんでしょうかね。

あと、ここでも何度か書いているように、日本人というのは世界で一番放射線を恐れる国民だと言われているそうです。にもかかわらず世界で一番放射線の被ばく量が多いんだそうです。医療関連の検査で。レントゲン撮影やらCTスキャンなどの検査のための放射線被ばくです。笑うに笑えない話ですね。

他にも色々面白い話があったのですが、長くなったので今日はこのへんで。


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