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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

右巻きと左巻き(昨日の追記)

すみません、昨日の話の最後のほうはわかりにくかったですね。わかりやすいかどうかわかりませんが、少し補足説明してみます。

右巻きと左巻きというのは、粒子の運動方向に対するスピンの向きで定義します。運動の方向と同じ向きなら右向き、反対を向いていれば左向きと定義します。よくある説明を真似ると、もし粒子に質量があれば光速以下で運動しているので、静止系から見ると仮に左巻きであったても、運動する粒子と同方向にその粒子よりも早く動いている系から見ると、その粒子は右巻きに見えてしまいます(スピンの向きは変わりませんが、運動方向が逆に見えるので)。ということで、質量のある粒子は見る系によって右巻きに見えたり左巻きに見えたりするわけです。つまり、絶対的に右巻き、あるいは左巻きでありつづけるわけではなく、混合状態と考えることが可能です。

ところが質量ゼロの粒子は必ず光速で運動しますので、その粒子を追い抜くことができません。ということは、どの系から見ても右巻きは右巻き、左巻きは左巻きと固定されて混ざり合うことはありません。混ざりあわないのですから別粒子として取り扱うことが可能で、カイラリティを保存している状態になります。

上で説明したように、実際、ニュートリノ以外のフェルミオンでは右巻きも左向きも観測されます。ある特定の反応には左巻きフェルミオンだけが反応に寄与する、といった面白い現象もあるのですが(=弱い相互作用です)、そういう特別の場合を除いては、ある粒子は必ず左巻きとか必ず右巻きとして観測されるわけではなく、どちらの状態も観測されます。そういう意味で数が同じと表現したのですが、誤解させるような表現だったかもしれません。

ところで、この話で面白いのはニュートリノです。ニュートリノは今のところ左巻き(反ニュートリノの場合右巻き)しか観測されていません。こういうところから色んな議論がなされているのですが、それについてはまた機会があれば書いてみます。


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