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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

ポスドクの就職活動

ふと思いついたので、今日は日本人とアメリカ人(私が前職に就いていたのがアメリカなので)のポスドク(あるいは学生)の職探しの仕方の違いについて書いてみます。職探しといっても、基本的にはこの業界内での職探しなのですが。

アメリカ人の学生やポスドクの多くは応募できるようなポジションがあれば、より好みせずにガンガン応募する人が多いです。あ、就職活動しなくても色んなとこから声がかかる優秀な人は別です。そういう例外を除いては、応募する先が多いからなのかもしれませんが、とにかくたくさん応募します。私が推薦状を書いてあげた学生たちも無茶苦茶たくさん応募してました。一人で30箇所近く応募してた学生もいました。推薦状を書いたわけではなく、単に仲のよかった学生やポスドクたちも20とか応募するのが普通みたいでした。

で、土壇場であれば採用が決まったものに飛びつきますし、時間の許す人は応募を繰り返し、2、3オファーをもらったところの中から自分が一番気に入ったところに行きます。こういうことが可能なのは、もちろん就職先の数が多いということもありますが、それだけではありません。彼らは何が何でもこの実験、この研究でなければ嫌、とはあまり言わないんですね。ポスドクの人が次のポジション、assistant professorを探すときなども並行して産業界のポジションを探すわけですが、何が何でもこれ、みたいな探し方じゃないんですね。とにかく色んな可能性を探して、その中で自分にとってのベストを選ぶ、という姿勢です。

ところが、日本人はまず自分のやりたいことありき、の職探しという印象を受けます。日本の私たちの業界でも色んな公募がありますが、ぶっちゃけそれほど競争率は高くありませんし、職探ししてる(すべき?)若手がアメリカ人ばりに色んなところに応募してるのかちょっと疑問です。もちろん、色々なところに応募してる人もいるのでしょうが、ポイントは、自分のやりたいことにこだわりすぎていないか、ということです。

実は私が準備を担当しているキャリアパスデザインセミナーの講師の人の話でも、毎回、本当に毎回ですよ、同じポイントが指摘されてました。博士の人が産業界への就職活動をするとき、研究内容と会社でやることに共通点があって一見就職活動しやすそうな人が就職に苦労するのだそうです。というのも例えば素粒子関係の人間が産業界に就職しようとすると、自分の研究内容をスパッと忘れて就職活動します。それこそ何でもやりますよ、という姿勢で就職活動するので、わりと就職しやすいのだそうです。ところが、逆に例えば生物関係を研究してた人には、就職先として生物関連、さらには職種にもなんらかのこだわりがあるため、就職が難しくなる人がいるのだそうです。

就職を困難にするのは、職種が絞られるという理由だけでなく、企業としては採用判断をする際に「何でもやります」「何にでも対応できます」という人でないと採用しずらい、ということがあるようです。と書きつつ、実はこれは企業に限った話だけでなく、私たちの世界でも同じなんですね。採用する側の立場にたったら当たり前なのですが、これから何十年も働いてもらう人が何か一つのことしかやれなかったら困ります。研究でも、産業でも非常に早いサイクルで物事が変化していくので、それについて行けないような人は雇いたくありません。変化しなくていいのは、人間国宝みたいな職人さんとか、宗教家みたいな人達で、そういう人を除いた一般人の社会では、これしかやれない、やりたくない、という人は雇う側としては避けるのが普通ではないでしょうか。

ちょっと脱線しかけてますが、とにかく、私たちの業界でも産業界でも、就職探しのときは自分のやりたいことにあまりこだわり過ぎず、選択の幅を広げる、自分が未経験の分野にもチャレンジしてみる、ということが大切なのではないかと思います。


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