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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

シミュレーション

前にも書いたことありますが、高エネルギー物理の研究では(他の研究ジャンルでもそうなのかもしれませんが)、大学の助教以上のスタッフになると自分自身でまとまった物理解析をするのはなかなか難しいです。というのは、学生や研究員の指導や手伝い、大学の雑用などに時間が取られる、などの時間的な問題だけでなく、物理解析をするために必要な研究というのが莫大にあって、それを主にこなすからです。学生なども勿論そういう研究はしますが、最終的には物理解析がゴールであって、縁の下の力持ち的な仕事だけするということはありません。そういう過酷な状況におかれてる学生もいるかもしれませんが、少数派でしょう。

じゃあ縁の下の力持ち的なアシストの仕事というのがどういうものかというと、例えば、物理解析に必要なシミュレーションデータの生成というのがあります。実験で収集したデータだけでなく、検出器の振る舞いを理解したり、解析手法のチューニングをしたり、シミュレーションデータというのも必要不可欠です。我々高エネルギーの世界は使用するデータ量がハンパではなく、例えば今やっている実験でデータ収集を開始すると数百メガバイト/秒で延々と(=何年も)データを取り続けます。年間数ペタ(=10の18乗)バイトのデータを収集するわけですが、それだけの実データ量をシミュレートしようと思うと、やはり莫大なシミュレーションデータを生成しないとならないわけです。もちろん実データと同じ量だけ生成するという無茶はできませんが、それでも日常生活では扱わないような莫大なデータ処理です。

そんなシミュレーションデータの生成を最近始めました。というか、そのための準備を始めました。我々の世界にとってはそれほど莫大なデータを生成しようとしているわけではありませんが、普通の人には想像つかないようなcomputing resourceを使います。自分の研究費でサーバを買った時にSEの人と話をして、何でそんなにCPUとストレージがいるのかと、質問されたことがありました。売ってるほうですら、高エネルギー業界のコンピュータの使い方が信じられないんだそうです。

とまあ、そんなわけで、これから数日はコツコツとシミュレーションのため、というか、シミュレーションデータを生成するプログラムを流すための準備です。プログラム自体はすでにあるのですが、それを走らせるためのセットアップがまず必要で、その次に、大量のジョブを流さないとならないので、それを自動的に行うための準備が必要になります。何百、何千というジョブを手で流すことは不可能ですから。


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騙されちゃった… …
2008-06-29 Sun 01:06 玉手箱
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