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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

ピンチをチャンスに

CERNのスタッフとユーザー全員に流れるメーリングリストに流れていた今日のメールの内容には,色々と考えさせられました。内容を一言で言うと,新型コロナ対策としてCERNが社会に対して貢献したい,そのためのチームを作るので,何か良いアイデアがないかを募集する,というものです。

私のような石頭は,世間の流れについていくのでさえ難しくて,世の中から批判されないような対応策を考えるだけで精一杯なのに,CERNでは,ピンチをチャンスに変えようとしているのです。もちろん,社会に対して貢献したいという偉い道徳心もモチベーションになっていますが,こういう時だからこそ,インターネットをフルに使う仕事のスタイルなど,CERNの培った技術と経験を世間で役立ててもらい,CERNの凄さを宣伝して,CERNに対する評価を上げよう,という一石二鳥的な考えも見え隠れしていて,その強かさに舌を巻きます。

同時に感じるのは,組織全体が余裕を持っているんですよね。日本の組織は,会社のことは自分は属したことがないのでわかりませんが,学校も役所も研究所も公的機関の多くは,もう能力いっぱいいっぱいの状態で通常営業をしているため,想定外の事態に対応するだけの余裕を持っているところなんてほとんどないのではないでしょうか。身近な例だと,KEKの加速器の運転計画とCERNのそれでは大きな違いがあります。LHCだと瞬間ルミノシティにしても,積分ルミノシティにしても,通常はそれなりの余裕を持った状態で走っています。頑張ればもっと頑張れるんだけど,機械も人間もそこまで無理はせず,将来のさらなる改良のための時間を取るなどして,比較的リラックスした状態で運転します。一方,KEKでは,機械のことは直接携わっているわけではないのでコメントを控えますが,横から見ている限り,人間も予算ももう限界いっぱいまで頑張っているように見えます。さらに,自分が直接関係するATLAS日本グループの計画にしても,人,予算ともに外国に比べたら無理に無理を重ねてやっと生き延びている,という感覚です。ピンチをチャンスに変えるポジティブ思想を持っていても,それを実行するだけの時間も予算も人も全くありません。

日本人はいつまでインパール作戦なんですかね。と言いつつ,計画を決める立場に自分もそろそろ来ているので,自分自身で変えていかないとならないのかもしれません。

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