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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

Fine Tuning

今は年度末ということで色々な事務処理があります。研究費を1円単位までぴったりと使い切るのもそういう事務処理の一つと言えます。私の持っている財源は大した額ではありませんが、何億という研究費、あるいは大学のウン十億(?)の運営費でさえも1円単位でぴったりと帳尻を合わせるというのは、日本人って本当に凄いなと思います。

素粒子物理学で超対称性があると嬉しい理由の一つに、ヒッグスボソンの質量に対する放射補正のfine tuningという問題があります。[10の16-19乗]の2乗と[10の16-19乗]の2乗というとてつもなく大きな値同士の引き算が、ヒッグスの質量と予想される100GeVの2乗程度になるのは不自然だ、という問題です。超対称性があると自然にこの問題を回避できる、というのが超対称性のモチベーションの一つだったりします。

このfine tuning問題に比べると大したことありませんが、それでも日本の予算運営の精度って物凄いですよね。例えば、10億だったら10の9乗ですが、それを1円単位まできっちり抑えるのですから、相当のfine tuningと思います。流石、不自然な存在の人間ならではの行為です。実際には10の9乗マイナス10の9乗をしてるわけではありませんが…。

なんてことを書いていますが何を言いたいかというと、予算執行にはもっと弾力性があって欲しいです。研究なんて予定通りに進むわけではないので、ある程度は予定通り予算執行しないとならないとは思いますが、あまりのfine tuningを要求すると無駄遣いを引き起こします。

カラ出張などで予算を現金化してプールしていたという不正ニュースがたまにありますが、現金化したお金を着服しているわけではなく、余ってしまった予算を無駄に消費するのではなく翌年度に回したいがために不正行為を行ってしまうケースも少なくありません。ルール上不正なので勿論やってはならないことなのですが、そういう不正をしてしまう研究者の気持ちを理解できなくはないんですね。

なんとか、臨機応変な予算執行を可能にする制度になって欲しいものです。科研費の繰り越しが可能になって、去年は実際にその制度を利用しましたが、原理上可能でも、実際上はやはり相当面倒でした…。


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