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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

できないものはできない

昨日の夜は家からテレビ会議でした。深夜のテレビ会議を断らないと,24時間体制になってしまうので,私は極力深夜のテレビ会議は出ないのですが,昨日はシリコンストリップセンサーに関して重要な議論があったので,やむなく出席しました。

センサーを購入したあとの試験内容について議論されているのですが,ATLASグループ,というか,正確にはシリコンストリップセンサーコミュニティが,やろうとしている試験項目があまりに濃密すぎて,センサー全体の約3割を供給予定の日本グループでは,そんな試験をやるリソースが全くありません。個人的にはむしろそんなに試験をやったら検出器として組み立てる前に壊してしまう可能性が高く,むしろ,やらないほうが正解だと思っています。また,シリコン検出器全体を取り仕切るリーダーに苦情を言った際も,そんな試験はクレージーだという一言。それくらい無茶な試験なのですが,空気というのは恐ろしいもので,一旦その方向に向かって進むと後戻りは難しいみたいで,私が一人強硬に反対しています。それに,もし実際それをやろうと思うと,センサー購入代金の2割程度の費用が必要になる可能性があり,予算の面からも全くもって不可能な内容です。

という無茶苦茶な状況なのですが,ストリップセンサーのほうは私自身が目を光らせていなかったために,日本グループでもセンサー開発に関与して定期的にミーティングで発表している人もいるのですが,試験に関する日本グループ内の相談がなくここまで来てしまいました。そこで,試験項目に気づいた私が,ストリップセンサーコミュニティに文句を言い始めて,昨日はそれ関連の議論だったので仕方なくミーティングに参加したというわけです。このままでは,試験実施費用がゼロなのにとてつもない量の試験をやらなければならなくなってしまいますから。

最近の私の仕事は予算関係ばかりだというようなことをよくこのブログで書いていますが,もう一つの仕事は,あらゆる方面で,そんなことはできない,できないものはできない,と突っぱねることになってきています。今回のストリップセンサーのことだけでなく,日本グループの分担に関しても,私がKEKに来る前に想定していたものからはかなり縮小していて,ATLASグループに対して,日本はここまでしかできない,とにかく予算分担を減らしてくれ,というネガティブな交渉ばかりです。

ATLASグループ全体だけでなく,現場の人間が日本グループのリソースを使う約束を勝手に約束してしまうことがあり,それを修正するのも私の重要な役割になっています。向こうは日本に頼みたいのですから,それを安請け合いするのは気持ちよいでしょうが,一旦約束したものを反故にする交渉は難しいし,完全に嫌われ役です。まさに「ノーと言えない日本人」が多くて,その日本人たちが本来言うべき「ノー」の全てを私が代弁しています。

このストレスを私の周りの研究者は感じてくれていて,最近は,安易に仕事を引き受けないようになってきてくれているので,個人的には助かっています。けど,物事を引き受けないで私個人がハッピーになるのは本意ではなく,本当は,振られた研究仕事内容をどんどん引き受けられるようなリソース(金,人両方)が欲しいところです。

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