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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

ピクセル大変

今回のオックスフォードのミーティングは,HL-LHCに向けたアップグーレド用シリコン飛跡検出器開発をしているATLASグループのcollaboration meetingです。飛跡検出器は最内層がピクセル,その外側がストリップの2種類のシリコン検出器から構成されます。日本グループはピクセルとストリップ両方をやっているのですが,ストリップのほうが外側にあるので大きく,その分建設にも時間がかかります。ということもあり,進捗は,ピクセルに比べて,というより,ATLAS全体のアップグレード計画の中で最も早く進んでいあす。なにしろ,シリコンセンサーの面積だけで170平米超え。スペア等も合わせると,200平米=60坪近い面積のセンサーを作り,それを部材として組み立て作業を行わなければなりません。

一方,ピクセルのほうがカバーする面積は20平米程度。微細化が必要なのでデータ量が多いとか,放射線に超強くなければならないとか,開発要素としては面白いですが,小さいがゆえに普通に考えると建設の時間はストリップよりも短くて済みます。ですが,ストリップ開発グループよりもorganizationがダメダメというか,取りまとめ役にイタリア人などのラテン系が多いからなのか,organizationがあまりされないアナーキーな状態のために,建設へ向けた段取りが全くまとまらない上に,未だにどういう技術を使うかも定まっておらず,これで本当に間に合うのかという状態です。さらに,私の立場からすると頭が痛いのは,想定していなかったR&Dプロジェクトをグループワイドに突然やり始めて各国に予算分担を要求するという,ぼったくり(?)計画を始めたりするので資金繰りが非常に大変です。そういうことを言い出すイタリアやフランスは言うだけ言って予算分担も仕事の分担も少なく,ドイツ,スイス,日本が文句を言うという構図があります。スケジュールもどんどん後ろに圧縮されて,本格的建設のときにみんな泣きそうになるのではないかと今から心配です。

まあ,私の場合は,アップグレードの経費は概算要求に乗りましたが,実際に幾ら予算化されるのかわかりませんし,入札しないと必要予算がわからないので,予算ショートするのではないかという心配のほうが圧倒的に大きかったりはします。ストリップセンサーが寡占状態なので,値段がどうなるのか。。入札で調達しなくてもよいのであれば,技術仕様と値段を天秤にかけて交渉できるのですが,入札は発注側にとっても受注側にとっても色々と難題を作ります。受注側にしても設備投資やら材料調達をいつすればいいのか大いに悩みます。公平性の引き換えとして,大きな対価を支払う仕組みです。公平性を失うと,私利私欲という無駄な金が生まれる可能性もあるので,難しいところではあります。

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