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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

研究所常駐の学生

高エネルギー実験を現場で動かしている主役は、研究所に常駐しているポスドクと学生と言えます。日本の場合、助教というポジションがありますが、アメリカなどではassistant professorに近い立場で、通常は教育の義務もかなりおわされます。あと、大学ではなく研究所のスタッフも当然現場で実験を動かしている中心人物です。

実際日本人の博士課程の学生でCERNに常駐して頑張って研究を行っている人も何人かいます。ATLAS実験に限らず、色々な研究所で行われている実験で頑張るために現場に常駐してる学生が結構たくさんいます。彼らは基本的には所属する大学のスーパーバイザーからどういう研究をするのか方向付けをされ(スーパーバイザーから全く束縛力を受けずに、自力でやって行く猛者もなかにはいますが)、実際の作業に関しては現場にいる別のスタッフや学生と協力して研究を押し進めて行きます。

最近他の分野の人と話をしてわかってきたのですが、上下関係の厳しいところとそうでないところがあるようです。理学系とそれ以外でもありますし、理学系の中でも物理と生物では違ったり、さらには同じ物理の中でも素粒子と物性では雰囲気が違うようです。もちろん、個体差はあるのであくまで一般論ですが…。で、高エネルギーというのはどうも非常に自由な環境らしく、上でも書いたようにスーパーバイザーというのは最低限の方向付けを行いますが、学生本人が自分の意志で好きなことをやるような雰囲気があります。ずっと前のエントリーで書いたことあるのですが、この業界ではスタッフのことを先生と呼ばないことが多いです。先生と呼ぶのはヒエラルキーのはっきりした大学で、呼称一つの話なのですが、先生と呼ぶかどうかは上下関係の厳しさと強い相関を持っている感じがします。

話はそれましたが、そういうわけで、博士課程の学生ともなれば研究者の一人として、つまり研究内容を自分で選択して、現場で活躍することになります。もちろん、学生の力量によってはそれが無理でかなりの部分をスタッフに頼る事もありますが、理想としては自分で考えて行動して欲しい、という扱いです。何かを教えてもらうのではなく、どうやって研究を進めて行けばよいのか肌で体得する期間といった感じでしょうか。

現場に常駐して研究している学生は、もちろん研究に追われて時間的には大学で過ごすよりも厳しいと思います。いや、厳しくなくては困ります。しかし、金銭的にはもしかすると大学にいるよりちょっとだけ恵まれているかもしれません。基本的には出張なので、学生であっても当然日当が出ます。どれくらいの額が支給されるかは実験グループによって異なるのですが、最低家賃分くらいはカバーされているのが普通です。私が博士課程の学生でアメリカの研究所に常駐していたときは、ちょうど家賃と同じくらいの日当(実際には月ごとの給料)を貰えていました。


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