ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

パターン認識

月曜からCERNに来ています。今週は,HL-LHCに向けた検出器アップグレードに関するcollaboration meeting,来週はLHCのResource Review Board (RRB)という予算関連の一番重要な会議があり,それらに参加するためです。来週のRRBはKEKの機構長も来る重要なもので(通常のRRBには来ません),そのための地ならしという仕事もあります。

というCERNですべき仕事に加えて,他の業務も並行して進めています。たまたま重なってしまいましたが,AEPSHEP,春の学校,CERNサマースチューデントというスクール関連の準備が並行して進んでいたり,この前書いた科学館でのアウトリーチの準備や,秋学会のシンポジウムの準備,お役所に提出する予算案の見直し精査という宿題への対応,これらが重なってここ数日はパンク状態に陥っていました。

特にAEPSHEPに参加する学生のセレクションが大変でした。200名近い応募者を約半分に絞り込むのですが,そのためには,全員の申請書と推薦書を読み,ランク付けをしなければなりません。先週やろうと思っていたのですが,ある事情によりできなかったため,CERNへの移動中もコツコツやってはいたのですが,水曜のセレクション委員会に間に合わせるためには結局月曜と火曜が死ぬほど大変になりました。

そしてもう一つ。ATLASのcollaboration weekの準備の一つとして,私の重要任務はビザの発給です。もちろん,書類処理は事務の人たちにおもいっきりお世話になっているのですが,ビザを発給する際には誰かが身元引受人になる必要があり,それが私なのです。今週神戸で行われている国際会議も実はその身元引き受け人が私のため,事務方のメールが大量に送られてきます。ルール上,責任者には事務方同士のメールもCcしなければならないそうで,本当に大量のメールが飛び込んできます。

で,精神的にプレッシャーなのは,身元引き受け人ですから,何か問題があると私の責任になるということです。どこの機関でもそうなのかもしれませんが,個人に責任を追わせる仕組みになっていまして,すべての人のビザ発給に対して私が明示的にイエスと返事をしないとビザ発給の手続きが進まない,そういう仕組みになっています。まあ,ATLASのcollaboration meetingに申し込んでくる人はATLASの人ですから変な人がいるとは思えないのですが,それでも,知らない人のビザ発給のための身元引き受け人になるのは気持ちのよいものではありません。というか,正直,職務でなければ絶対に嫌です。

そんなわけで,ビザ申請してきた人の身元確認をしています。ATLASのデータベースを見て確認しているのですが,そのデータベースには顔写真が載っていることが多いので(本人が載せるかどうか決めるのですが,ほとんどの人が載せています。説明省きますがその方が本人にとっても利益のあることが多いので),パスポートの顔写真とATLASのデータベースの顔写真を見比べるということをしています。最初は単に面倒だと思っていたのですが,やってみると,これがなかなかに興味深いタスクなんですね。

というのは,車の運転免許証なんかもそうですが,証明用の顔写真って本人と認識できないような写真のこと多くありませんか。つまり,パスポートの顔写真とデータベース上の写真が一目全然似てないことが結構あるんですね。いや,まさに,最近流行りの機械学習によるパターン認識ではありませんが,どうやって識別すればいいのかを自分なりに徐々に学んできました。たとえば,今まであまり考えたことありませんでしたが,髪の毛の生え際の形は結構有効です。簡単なパターンマッチングが使えますし,形が変わることがありませんので。他にも,眉毛の形とか,耳の形とか,普段意識していないところが区別するのに案外役立っています。

一方で,目の形とか鼻の形はわかりづらいです。目の形は写真を写したタイミングで変わるので,同じ人とは思えないくらい違って見えることがありますし,鼻の形も光の加減で判断しづらいときがあります。前述したように,髪の生え際とか耳とか,とにかく,コントラストがはっきりしいていて形が変わらないものが安定して使える,ということがわかってきました。機械学習でも結局は同じことをしてるのかもしれませんね。ただ,機械はとてつもない速度で大量に学んでいってしまいますが。

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