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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

ミーティングを楽しむ

今回のCERN出張は,HL-LHC用シリコン検出器開発に関するcollaboration meetingに出るためです。今日はこれから,各国がどこをどれだけ担当するかを議論するセッションがあったり,その分担についての水面下の交渉とでも言うべき内緒の打ち合わせがあったり,と,私にとっては1番頑張らなければならない日であり,ヘビーな日でもあります。

一方,昨日は,私たち日本グループも関連するセンサーとその周辺部に関する議論がテーマで,ほぼ技術的な話ばかりだったので,それぞれの発表を楽しんで聞いていました。特に,CMOSピクセルセンサー関連は色々と情報収集できて面白かったです。これまで高エネルギー物理で使われてきて,かつ,HL-LHC用の本線として開発されているのピクセル検出器は,センサーと,信号読み出しのためのASICをバンプボンディングするタイプなのですが,それに変わるものとして,センサーと読み出し回路が一体化したCMOSセンサーが精力的に開発されています。ATLAS(やCMS)では,このCMOSセンサー開発が非常に盛んで,各国,各グループが独自のベンダーと連携して,様々な技術開発を行っています。

正直,HL-LHCで使うための実用化にはまだ時間がかかるだろうという印象なのですが,新技術開発はそれ自身が楽しいですから,それはもうたくさんのヨーロッパ人が開発競争に参加しています。発表で面白いと思ったのは,開発しているグループ自身は結果を見せる際にいいとこ取りをするのですが,第3のグループが色々な試作品を試験して比較すると,開発グループが見せない結果まで見せてくれることです。開発の鍵となっている,つまりは,ボトルネック部分に関する結果をきちんと見せてくれるので,それは非常に興味深かったです。

国際会議等でも同じですが,競争になると,発表内容は人に見せたい,うまく行ってる部分ばかりになり,問題を隠す傾向になるので,真の開発進行状況がわかりづらくなってしまいます。でも,開発グループとは別の第3者グループが試験をすると,隠し事をせずに何でも見せるので,公平で面白い発表になります。実際,今回,ある測定結果が非常に悪い結果だったのですが,瞬間,開発グループからそれは間違っているというコメントが飛んできて,でも,発表者は間違っていないと主張。このやりとりはなかなか面白かったです。一聴衆としては,だったら開発グループがまさに見たいそのプロットを出せよ,というツッコミを入れたいところでした。我々が本当に見たいものを見せないんですよね。。

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