ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

第129回LHCC

一昨日と昨日はLHCCで,一昨日が公開セッションでした。LHCCというのは,LHC実験に対するPACです。そこで,YくんがピクセルのDAQアップグレードに関するポスターセッションで発表したはずですが,どんな感じだったのか気になるところです。

公開セッションのスライドをチラリと眺めて見ました。とりわけ目新しいことがあるわけではなく,2017年の加速器の予定や,それに向けた実験側の準備の状況報告が主な内容だったようです。

加速器についてはシャモニーのワークショップですでに決められたことの報告ですが,LHCの今年の積分ルミノシティは45/fbが目標であること(一応,正式には3月になってから決定することになっていますが),2017年と18年は重心系エネルギー13TeVで走ること,これらが決定事項のハイライトですかね。ハイライトと言っても驚くような内容ではありませんが。

にしても,LHCのルミノシティは調子いいですね。想定以上に,設計値以上の性能を出しているので,検出器側もそれに追いついていくために必死です。先に書いたピクセル検出器のDAQアップグレードもルミノシティ向上に対応するためですし,その他にも,検出器トリガーともに現場では高いルミノシティに追いつくための努力がなされています。1kHz近くでデータを書き出していることに各国のfunding agencyが難色を示していましたが(テープやディスク台が想定以上に高くなることへの懸念),データサマリーデータのサイズを小さくするなどの対応で, 少なくとも2017年中のデータ収集では去年同様のレートでデータを記録できる見込みらしいです。

あと,物理の結果はMoriond前なのでそれほど新しい結果は出ていないのですが,個人的にはWの質量測定結果が気になりました。中心値がどうこうではなく,誤差の小ささが物凄いです。ATLASが出した結果は,80370+/-19MeV。その精度なんと0.02%です。恐ろしい。常に系統誤差がアグレッシブだったCDFの測定精度とほぼ同じところまで来ました。ATLASは逆に系統誤差に対して極めて保守的で,私からすると大きく付けすぎだろうという結果が多いのですが,そのATLASからこれだけの精度の測定が出たというのは驚きです。

研究 | コメント:0 | トラックバック:0 |
<<デジカメのレンズのリコール | HOME | 阪大物理関連のお知らせ>>

この記事のコメント

コメントの投稿















コメント非公開の場合はチェック

この記事のトラックバック

| HOME |