ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

毎日20,000個のヒッグス

LHC順調です。淡々とデータ収集を行い,ATLASでは今年だけで13/fb近くのデータを収集しました。普通にデータ収集を行っていると,1日あたり400/pb程度のデータを貯めています。

400/pbだとどれくらいのヒッグスが生成されているのかを試しに計算してみると,ヒッグスの生成断面積の正確な数字を覚えていないので概数で50pbとします。すると,毎日ATLASだけで約2万個ものヒッグスが生成されていることになります。いやー,結構の数になるものですね。

グルーオン融合で生成されるのがメインなので,崩壊モードとしてγγを考えるとその崩壊比は約0.2%。ということは,毎日40個のH→γγが生成されていることになります。これに検出効率をかけると...うっ,信号の検出効率を私知りません。そのうち現場で解析してる人に数字を聞くとして,今はお遊びなので,γ1本で60%として2本あるから36%。計算しやすくするために30%とすると,1日あたり10個ちょいのH→γγが事象選別で残ることになります。(数字はいい加減なので信用しないでください。オーダーこんなもんだろう,という感じです。)

じゃあどれけの事象がトータルで生成されているかというと,全断面積はオーダー100mbですから,1日あたりに4E13個。えーと40兆回ですか。。40兆個の中から生成される2万個ですから,20億回に1回生成されるヒッグスを見つけ出していることになります。一般公開のときなんかのトークのためによく計算するのですが,こうやって計算してみると,1日に2万個も生成されていてもそれを効率良く探し出すのが難しいということがなんとなくわかるかと思います。

にしても,1日に2万個も生成されているのですから,当然のことながら分岐比の大きい崩壊モードを使えれば統計的にはずいぶん有利になります。でもそれが難しいんですよね。だからこそ解析好きの人には面白いとも言えるのですが。

話が発散しましたが,そんなわけでATLASでは日々2万個のヒッグスを生成するだけの陽子・陽子衝突が起こっています。この調子でいったら,今年中に30/fbくらい行きそうな勢いですね。小動物が変電施設に入るとか,木と電線が当たってショートするとか,その手の単純な自然災害的なものがなく順調に動き続けて欲しいものです。

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