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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

宇宙線の点源

昨日の研究室内のミーティングでY教授が紹介した論文は、ある意味、面白かったです。

宇宙線中の荷電粒子成分(陽子とかですね)は宇宙空間に存在する微弱な磁場で曲げられるので(プラス太陽風の影響も)、仮に荷電粒子を発生する何かがあったとしても、地球上には等方的に降り注いでいます。もちろん宇宙空間の磁場というのは微弱ですので、地球の近くに粒子の発生源があれば、その方向から沢山の粒子を観測することになります。が、当たり前ですが、地球の近くにそんな物ありません。

ところが、10TeVくらいのハドロンが多く飛んでくる方向が2カ所見つかったというのです。その論文の結論も、なんでこういうことが起こるのかわからない、ということで纏められていました。
…地球の割と近くに"誰かが"いて、LHCばりに加速器で地球に向かってビームを発射しているとしか考えられません。そういう意味で面白い論文でした。

いや、ふざけてますが、Physical Review Lettersという査読有りの雑誌に掲載されていたので、内容は普通に真面目です。が、個人的にはどうも宇宙、というか天文関係の話というのは眉につばをつけてしまいます。誤解されないように強調しておきますが、そういう研究の意義を否定するつもりは毛頭ありませんし、色々な可能性があって自分がやるにも面白そうな分野だと思います。ただ、なんというか、研究対象があまりにも大きなスケールで、わかってないことが物凄く多いんですよね。その結果、ある時代では非常に興味深い謎があったとしても、その数十年後には昔の考え、あるいは観測結果が単に間違っていただけ、というオチになることが多い気がするのです。

例えば、大昔は天動説が信じられていたし、ちょっと前だと地球の年齢が宇宙の年齢よりも上になってしまうなんていう大問題もありました。宇宙の膨張速度もありました。でも結局は理論や観測が単に間違っていたわけです。もちろん素粒子物理学でも全く同じプロセスを経て理論体系が構築されていくわけで、元々信じられていた概念を覆すということが繰り返されているわけです。科学の定義といっていいかもしれません。宗教だと真理は不変ですから。ただ、新しい概念、かつエポックメーキングな概念の誕生というのが、宇宙関係では素粒子に比べて非常に頻繁だと思うのです。

つまり、今正しいと信じられている宇宙の常識みたいなものが、何年か後にはコロッと変わることがよくあるので、虚心坦懐に宇宙の観測結果・理論を眺めないとならないのではないか、と思うわけです。繰り返しますが、宇宙に限らず素粒子物理学その他の自然科学でも全く同じ姿勢が必要なのですが、特に宇宙関係ではそういう見方が必要なんじゃないかなー、なんて思うわけです。

ダークマターとかダークエネルギーも心配してます。特にダークマターなんて素粒子物理と今や密接な関係を持っていて、ある意味あってもらわないと困ります。にもかかわらず、ホントなのかなと疑ってしまうのです。測定誤差何パーセントで宇宙の密度を測定したと言われても、系統誤差なんてあくまで現段階での人類の知恵に基づいてるわけで、未知の誤差の原因があったとしても定義によりそれは考察されていないのですから、疑り深い研究者としてはそう簡単には結果を信用して安心できないんですね。


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