ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

高エネルギー委員会とRRB

昨日の晩CERNから戻りました。で,今日は高エネルギー委員会に出席しました。最近は1ヶ月にヨーロッパを2往復する上に,ちょこちょことその他の出張もあるので,出張好きの鉄人Tさんのような移動量になってきました。でもそのおかげで,ちょっと無理して(スケジュールを若干変更して)今日の高エネルギー委員会に出席したのですが,その収穫がある会合でした。明示的に今回のアジェンダに入っていたわけではないのですが,次回の大型マスタープランに向けて高エネルギー委員会としてはどういう動きをするのかの議論になり,そこの議論にいられただけでも予定を変更した甲斐がありました。

それから,RRBの結果を書いてなかったので,それについても簡単に書いてしまいます。

ちょっとややこしいですが,まず最初に理解して欲しいのはLHCの運転経費とATLASなどの検出器の運転経費の承認は別の場所で行われます。加速器であるLHCの運転経費はメンバー国によって賄われているので,その予算の承認などはRRBではなく理事会で行われます。日本も払っているATLAS運転経費とコンピューティング経費についての承認はRRBで各検出器ごとに行われます。

ということで,RRBで通常承認されるのは毎年のATLAS運転経費です。まあ,これは毎年のほぼ決まった額なので大きな議論はないのですが,今回は,Phase-IIアップグレードに関する承認ごとがあり,いつもと違ってその部分は熱のこもった議論になりました。繰り返しですが,今回の議論はPhase-IIアップグレードすなわち検出器のアップグレード計画に関するもので,LHC加速器のアップグレードについての承認ではありません。そのプロセスは上記のように理事会で行われ,計画自体はすでに承認され,ちょうど今週,そのdesign reviewが行われ,それも成功裏に終わったというようなニュースが流れていました。

話を検出器アップグレードに戻すと,ATLASもCMSも3段階の承認を得て,検出器建設を開始できます。今回のstep1は,TDR(Technical Design Report)の作成を開始してよいかどうか,次のstep2はTDRの内容の承認,そして最後のstep3が建設開始の承認です。TDRまで行かないと,検出器の設計が最終的なものにまでなりませんし,ということは必要な予算の見通しもそこまで行かないと甘いものになります。で,先にも書いたようにかなり熱のこもった議論の後,めでたく承認されました。

今私は,承認内容に関する正式な文書が出されるのを待っているのですが,最終微調整に手間取っているのかまだ出てきていません。例えば,FRBの会合の後の声明の微妙な表現内容で株価が大きく上下したりしますが,それと似たところがあって,微妙な表現の違いでどう解釈されるかわからないので,この手の文章の作成は短い文章だし,書いてあることは当たり前だろうというようなことでも,結構神経を使うし時間のかかる作業だったりします。って,そんなことを思ってるうちに,私がチェックしてるところとは違うルートで発表されてしまうのかもしれませんが。。

まあ,いずれにせよ,今回の承認に向けて,ATLASもCMSも大体の予算見通しを立て,幾らくらいで検出器を作るとどんな物理成果が得られるのか,という見通しを3つのシナリオ(=検出器の値段)に基づいて纏めるという難作業を行ってきました。それが承認されたのですから,ひとまずめでたいです。

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