ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

LHCの近況など

昨日はCERN理事会のセッションの一つに出席してきました。LHC関連のScientificなセッションだったので苦痛なく話を聞いてくることができました。また,出席したセッションの議事録を書きそれを文科省の方に送るというのも私の重要な仕事なのですが,それも今回はScientificな内容が主なので比較的書きやすく安堵しています。セッションによっては,scientificな内容は全くなくて,予算,それもCERN全体の経営に関するような予算の話,たとえば雇用者の年金の話とかが中心のときがあり,そういう内容だと理解度がグンと下がってしまい,議事録を書くのに難儀します。

昨日のセッションでの話は,基本的に私たちにとっては既知の内容で真新しいことはなかったのですが,ATLASだけでなく,LHC関連の全体の動きを俯瞰するには役立ちました。そのLHCですが,数日前から調子がよくなり,ようやく安定してデータを取り始めています。

バンチ間隔を25nsした後は,様々な原因でビームが非常に不安定だったのですが,テクニカルシャットダウン(TS)という短いシャットダウンの間に色々と修理すべきところなどが修理され,TSの後はだいぶ安定した運転が続いています。今まではクエンチプロテクションの誤作動などによりビームダンプして,フィルが終了することがほとんどだったのですが,TS後はビームをダンプさせるべく意図してダンプできるようになってきました。バンチ数は1000を超え,13TeVでのルミノシティの最高値も50ns間隔の時の値を超えて,2.2E10E33cm^{-2}s^{-1}になりました。このぺーすを維持すると年内に収集できるデータ量は3/fbくらいかなという感じです。

物理解析も順調に進んでいまして,WやZ,それからttbarの断面積測定の第1報が出揃いつつあります。あと,ATLAS,CMSともにdijet massが5TeVを超える事象が見つかっていることなどが話題になっています。まあ,それぞれ1事象づつで,標準模型からの乖離があるわけではないのですが,それでも,それだけの高い質量事象が見られるというのはドキドキするというか,流石13TeVという印象を持ちます。

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