ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

13TeVでの衝突

とうとう13TeVでの陽子陽子衝突に成功しました。CERNのプレスリリースはこちら

プレスリリースにも書いてありますが,まだ物理のためでデータ収集というわけではなく,加速器の調整作業の一環という位置づけの陽子陽子衝突です。たとえばシリコンストリップ検出器はセンサーへのバイアス電圧を通常よりもだいぶ下げた状態でデータ収集しました。というのも,まだビームの状態を最適化できていないので,なんらかの拍子に陽子ビームが検出器に直接当たってしまうなんていうこともあり得ます。なので,万一ビームが検出器に当たってもダメージを最小限に抑えるために(具体的にはセンサーを流れる電流が少しでも小さくなるように)バイアス電圧を小さくしていました。その他,検出器サイドでもより詳細なタイミング調整をするなど,まだ物理解析用データというわけではありませんが,とにかく,とうとう13TeVで衝突できました。

ところで,CERNのプレスリリースの一番上に貼り付けてある画像は,LHC Page 1と呼ばれるサイトで,LHCの運転状況をライブで見ることができます。CERNの食堂にあるテレビ画面のスクリーンにいつも映し出されてたりします。ちなみに,今見るとBeam SetupとなっていてLHCの中にはビーム入ってなくて,何か準備しているところでした。

LHC Page1
ついでなので,この画像中のグラフを説明します。横軸が時間,縦軸はエネルギー(黒)と陽子数(赤と青)です。赤と青を見ると,8時前から8時15分くらいにかけてLHCにビームを入射していることがわかります。左側のスケールを読むと,最終的に入射された陽子数は2×10^11(2E11)あるいは1.8E11です。黒を見ると8時20分くらいまで450GeV(右側のスケールを読む)で,そこから加速。8時40分くらいに6500GeVに到達していることがわかります。ただこれだけだと衝突していることはわからなくて,衝突させてるつもりかどうかはグラフ左下のコメントから読み取れて,かつ,本当に衝突しているかどうかを判断するためには検出器側で衝突事象が見えているかどうかが一番重要な判断材料になります。

何度か同じことを書いていますが,物理解析用のデータ収集は6月初旬に予定されています。楽しみですね。よっぽどのことがない限り,そのすぐ直後に物理の結果発表ということはなく,最初の物理成果の発表は12月あたりのCERN理事会になるのではないかと勝手に予想しています。

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