ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

RCNPでのビームテストその2

先週末に引き続き,金曜の晩から月曜の朝までRCNPでビームテストをやっています。

ATLAS大阪グループが試験しているのは,テレスコープと呼ぶ荷電粒子の飛跡検出器です。シリコンストリップセンサーを縦と横に設置して,粒子の入射位置を2次元的に測定するものです。本来はこの検出器によって測定された粒子を別の検出器の試験に使います。粒子の位置がテレスコープによって正確にわかるので,試験すべき検出器の検出効率の場所依存性や位置分解能などを測定できるというものです。

今回のビームテストのビームのエネルギーは,私たち高エネルギー物理屋の感覚だと非常に低ため,試験に使う粒子がセンサーで大きく多重散乱されてしまいテレスコープ自体の位置分解能の測定は相当難しくなっています。そこで,今回の試験の目標は検出効率の測定と,同じような概念ですがセンサーの電荷収集量の測定にしています。加えて,去年CERNで行ったビームテストではDAQレートが非常に低かったり,その他にも色々とデータ収集関連の開発が足りなかったので,今回はどれくらいのレートでDAQできるのか試すというのも重要な目的の一つになっています。

電荷収集量の測定はデータはあるもののまだ解析をやっていないので結果はわかりませんが,DAQに関しては非常に順調に進んでいます。担当者のYくんの想定通り,5kHzくらいまでは問題なくデータ収集できています。加えて,今はテレスコープの全チャンネルからのデータを読み出しているのですが,閾値を設けて読み出しチャンネルを減らすこともできますので,そのようにチューンされたファームウェアを使えば,レートを格段に向上させることができると思っています。(今も閾値を設定することはできるのですが,それによってデータ収集の速度が格段に向上するような対応にファームウェアがなっていません。)去年の終わり頃からこのビームテストを目指してYくんが頑張って開発を続けてきた,その成果が確実に出ているビームテストとなっています。素晴らしいです。

今回のビームテストは,KEKが中心になって進めているSOIシリコン検出器開発の一環として,SOIのプロトタイプの試験も兼ねていて,阪大の我々とKEKに加えて,筑波と東北の人たちの来ています。願わくば,私たちの担当するテレスコープをその本来の役目として使いたいので,テレスコープをSOI検出器と組み合わせてデータ収集したいのですが,残念ながらSOIのデータ収集の準備が整わなくて,そういう試験をまだやれていません。せっかくのビームタイムなので,ぜひともこちらのデータ収集も上手くやりたいところなのですが,残りあと1日強。どこまで進むか分かりませんが,昨日今日と突貫工事でSOI検出器とテレスコープを合体させましたので,なんとかデータを取りたいものです。

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