ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

放射性物質移送手続き

M2のAくんは,M2ですから当然今修論執筆中(のはず)です。彼は,ATLASアップグレード用シリコンピクセル器の開発に関連する研究をやっていて,その最終ゴールとしては,センサーの電荷収集効率が浴びた放射線量とともにどのように変化するのか調べたいということがあります。技術的にちょっと難しいやり方でやろうとしているので,彼のやってる方法で評価できなかったとしても仕方ない,逆に言うと,修論として書くネタは一応できているというのが現状です。

でも,やっぱり,その最終ゴールを目指していまして,今は,放射線を浴びたセンサー(+ASIC)をKEKから大学へ移送するための手続きを行っています。大量の放射線を浴びたセンサーとASIC(を合わせてモジュールと呼びます)は放射化してしまうので,放射性物質として取り扱わないとなりません。大量の放射線をモジュールに当てた直後は線量が多いために,放射線管理区域の外に持ち出すことができず,しばらく(生成される放射化物の半減期がそこそこ短いので)待って線量のレベルが下がってからKEKなどに持ち帰ります。

今回移送しようとしているものもすでにKEKにあるもので,管理区域の外で使えるレベルのものなのですが,KEK,大学ともに,法律で規定されている以上に厳しい内規で運用しているため,移送するための手続きがなかなかに煩雑です。1枚の書類に,関係者および各機関の放射性物質取り扱い主任など4人くらいのハンコが必要で,かつ今回は’そういう書類が2枚も必要。しかも,同時に2枚作成できず,1枚が承認された後に初めて次の書類を作成できるという厄介物で,この話を始めてから数えるともう3週間くらい経ちますが,未だにKEKから発送できる状態になっていません。

こういうことに関しては厳しいに越したことはないのかもしれませんが,すぐにでも研究に使いたい現場の人間としてはなかなかに忍耐力を要するプロセスです。それにしても,KEKのATLASシリコングループでは,こういう放射性物質の移送を年に何回も半定期的に行っているわけで,その煩雑な手続きや準備を一手に引き受けているIさんの苦労が身に染みます。書類作業が苦手な私は今回の1回だけでもかなりウンザリしていますが,Iさんの場合,これをしょっちゅうやってるわけで,本当に頭が下がります。

大きいプロジェクトでは,こういうツマラナイ手続きをちゃんとこなしてくれている人が大勢いるはずで,そういう人の見えてこない努力によって目立つ解析結果が得られるんだということを改めて感じる今日この頃です。

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