ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

LHCの2014年末の状況

先週金曜は毎年恒例の,Y研究室K研究室合同の年末発表会がありました。しかし,今年は合同で発表会をやる意義があるのか極めて疑わしい内容になってしまい,残念な心持ちで一杯です。自分の発表のときだけ表れて,他の人の話,特に自分の研究室とは違う研究室の人の話を聞かないのでは,合同でやってる意味がありません。せっかく長いこと続いてきた企画だし,良い企画だと思うので長続きして欲しいですが,今年のようなことが続いてしまうなら継続を考えてほうがよいと思うくらい今年はちょっと酷かった。

土曜日は高エネルギー委員会で東京へ行ってきました。高エネルギー委員会では毎回主要プロジェクトの最新の状況報告があり,私はLHC/ATLASの報告をしています。せっかくなので,2015年の展望も含めて,高エネルギー委員会で話したことの繰り返しになりますが,LHC/ATLASの近況を書いてみます。

LHCの陽子軌道を円形に保つための双極電磁石は,すべてが液体ヘリウム温度にまで冷やされています。この2年間のシャットダウンでの主な作業の一つだった copper stabilizer(上記の双極電磁石がクエンチしたときに電流を流すためのバイパス)の取り付けの最終確認として,全周にわたってその抵抗値の測定を行い,問題がないことを確認しました。この確認作業を追加で行ったために当初の予定よりも約1ヶ月遅れの実験開始となる予定で,現在は3月にビームを出し,5月から衝突を開始する予定です。

直近では磁石を冷やしただけでなく,6.5TeV時の運転に相当するだけの励磁試験も始まっています。LHCの8つあるセクターのうちの1つはすでに試験を終えて,6.5TeV運転が問題なく行えることを確認しました。もう1つのセクターの試験も近いうちに開始する予定で,6.5TeV+6.5TeVに向けて順調に準備が進んでいます。ちなみに,2015年内は重心系エネルギー13TeVで走ることで合意が取れていて,14TeVに上げるかどうかは2015年の運転状況を見てから決めることになります。

LHCそのものだけでなく,前段の加速器達も順調に立ち上がっています。SPSを使ったビームテストをすでにやっていますのでSPSまでは問題ないことは既にわかっていましたが,その後,つまりSPSからLHCまでのビーム輸送も順調に進んでいるようです。輸送ラインの試験として,SPSからLHCまでビームを送りビームダンプでビームを止めるという試験を行い,そのビームダンプでのビームの反跳をLHCbとALICEでは観測しているようです。(LHCへのビームの入射位置の関係でLHCbとALICEでは観測可能)

そんなわけで,1ヶ月程度の遅れはありますが,LHCは順調に運転の準備が進んでいます。2015年内に10fb^{-1}貯めるのを目標としています。

一方でATLASの準備も順調に進んでいます。IBLまで含めた全検出器からのDAQ試験も行われていて,再度強調しますがIBLまで含めて宇宙線のトラックを観測しています。Run2ではL1のトリガーレートを100kHz,テープへの書き込みを1kHzにまで上げる予定で,それに伴いトリガーのbandwidthを上げるための改修を各検出器のDAQで行っていましたが,予定通り最近の試験では100kHzで走れそうなことを確認しています。また,メインテナンスおよびIBLのインストールのために開けていたエンドキャップを閉じて,検出器としてはいつビームが来てもいい,とまでは100%言い切れませんが,それに近い状態にまで準備が進んでいます。

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