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ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

ジェットの性質

何日か前のエントリーで書いたように、ジェットの性質を研究するのは我々にとって非常に重要です。例えばヒッグス粒子を探すとしましょう。ヒッグス粒子は生成直後に別の粒子・反粒子対に崩壊します。わかりやすいとこだと例えば電子・陽電子に崩壊します。どういう粒子に崩壊するかはヒッグスの質量その他の性質で決まるので、ヒッグスの性質を調べるためには色々な崩壊を通してヒッグスを観測することが重要です。そこで、ヒッグスがbクォーク・反bクォーク対に崩壊する事象を我々は観測しようとしています。すると、これまた上のリンク先で書いたように、bクォークあるいは反bクォークというのは多数の粒子からならエネルギーの塊、すなわちジェットとして観測されます。

ここで問題になってくるのが、バックグラウンド(背景事象)と呼ばれる偽の信号です。例えば、bクォーク起源でないジェットというのは、ヒッグスの生成とは無関係に莫大に生成されます。そこで、観測されたジェットがbクォーク起源なのか、それとも別のクォーク(u, d, sクォークなど)あるいはグルーオン起源なのかを識別しないと、ヒッグスがbクォーク・反bクォーク対に壊れたという信号を選び出すことができません。我々の探すヒッグス生成・崩壊の信号よりもバックグラウンドが何億倍、何十億倍も多いので。

というわけで、観測されたジェットがbクォーク起源か否かを識別する方法が必要です。個人的に今やっている研究の1つがこれに関するもので、いかにbクォーク起源のジェットを確実に選び出し、いかにそれ以外のジェットをふるいにかけて落とすか、を研究しています。また、選び出したジェットが本当にbクォーク起源である確率、逆に間違えてしまう確率を測定することも重要です。ところが、最初からこれはbクォーク起源のジェット、これはdクォーク起源のジェット、とわかっているものがないので、性能評価をすることが実は非常に難しいのです。いかに性能評価をしたらいいのか、今実は悩んでいます。すでに確立されたいくつかの方法はあるのですが、それに変わるような新しい方法がないか今色々調べています。
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