ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

H→bb現状など

ヒッグスの質量測定については,これまでのデータを使った最終結果とでも呼ぶべき結果を公表していますが,各崩壊モードおよびそれらをまとめた断面積×崩壊比測定というか結合定数測定の最終結果はまだ公表していません。H→γγをD論のテーマとしていたポスドクのYくんもまだちょこちょことH→γγの解析をやらされていたりして,なかなか解析が終わりになりません。ATLASらしいというのが一言での感想ですが,ホントねちっこく延々と解析が続いています。

私が特に興味を持ってるのはH→bbなのですが,これもまた最後の一粘りをしています。いわゆるBlind Analysisというのをやっていて,その目隠しを外して信号領域を見たので普通ならもう結果公表間近なはずですが,私みたいな短気な人から見るといつになったら結果を出すんだろうというくらいまだ延々とやっています。もうこの辺の話って科学ではなく,各人の価値観というか哲学のぶつかりあいなので,好きな人は好きですが,大多数の面倒な人にとっては本当にめんどくさいです。

そんな中,先にも出てきたポスドクのYくんは次はH→bbをやる予定で,徐々に研究内容をそっちに移行させています。ATLASの解析はなかなかに複雑なのですが,さすがに手馴れているだけあって,簡単な結果はすぐにサクサクと出してきます。グループ内の仕事も徐々にこなしていってるので,このペースでやっていって陣地を着実に確保していって欲しいものです。

ヒッグス以外で何かないかとよく外部の人,特に理論屋さんに聞かれるのですが,どう答えたらいいのか難しいです。莫大な数の解析・探索をやっていますから,多少のエクセスがある解析はそれは当然あります。1シグマなら1/3程度の結果は誤差の範囲外に出るはずだし,2シグマなら5%程度の結果は誤差の外になって不思議ではありません。というか,そうなるのが正しい評価です。解析が20個あったら,何にもなくても2シグマのエクセスのある結果が1個あって不思議ではありません。なので,私自身はこれだけの数の解析をやってるLHCですから,2シグマくらいのエクセスがあってもそれほど驚かないというか,注目はするけど,まだまだこれからの結果次第というのが第一感となります。

ただ,理論の人たちは,そういうのを飯のタネとして論文を書くので,言い方悪いですけど,統計的有意さなんて関係なく,とにかく何かヒントがないかという態度で何かないかと尋ねてきます。それは職種(?)ですから当然だし,親しい人に聞かれれば教えてあげたいのは山々なのですが,公表されていない結果を自分からリークする気は全くないので,ホントどう答えたらいいか返答に迷います。

と書いておいてなんですが,何かないかと思っているのは私も同じなので,注目しているチャンネルがいくつかあるのは間違いありません。2シグマくらいだったらさっきも書いたようにあって不思議ではないのですから,とりあえず結果をさっさと出してしまってもいいと思うのですが,グループの方針的にはなかなかそういうわけにもいきません。

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この記事のコメント

物体に運動エネルギーを加えて位置エネルギーへ変化するとき振動数を上げて力学的エネルギー保存をする。
これはひゃまの理論でなくても紛れもない事実で、そうすると運動エネルギーが重力子でない限り重力子の出る幕はない。

そうすると重力子検出の国家プロジェクトの方
が問題かと?
2014-08-01 Fri 19:48 | URL | ひゃま [ 編集]

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