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KEK次期機構長候補

一昨日は高エネルギー委員会でT大へ行ってきました。いつものように各プロジェクトの現状報告があり,その後は,MさんからP5の報告,そして次期KEK機構長候補についての意見交換(?)がありました。

P5の決定,というかrecommendationは,実際の予算にかかわってくる非常にシビアなものです。そこでやめろと言われたら,これまで動いていたプロジェクトでも予算がカットされプロジェクトを中止しなければなりません。アメリカらしいトップダウンのやり方の典型で,これによって世界情勢が大きく変わることもあります。ただし,今回の決定では何かに対して大きく鉈をふるうということがなかったので,そういう意味での驚きはありませんでしたが,逆に,大枠では予想通りだったのでそういう意味では少し意外だったかもしれません。

特に,色々なところで聞いてはいましたが,アメリカでのLHC人気というか,LHCの高評価度合いは少なくとも私の予想を越えていました。Frist priorityにしてしまっている勢いで,LHCをやってる人間としては嬉しいことですが,国内プロジェクトをおしのけてFirst priorityにするというのはある意味大鉈ではあったかもしれません。これまでは何でも一番でなければ気が済まなかったアメリカも,いわゆるグローバリゼーションという流れに逆い続けるのはやめようということなのかもしれません。一方で,予算的にまだ届きそうなニュートリノに関しては,まだなんとか一番であり続けたいという意志が読み取れるものでした。

KEK機構長というのは,昔は違ったみたいですが,今は3年任期で最大9年やれるという決まりになっています。現機構長は今年度が9年目で来年の3月で任期が切れます。これを受け,次期機構長選考会議というものが立ち上がっています。各分野の学者や企業のお偉いさんが委員となっているもので,今は,機構長候補の推薦を公募しています。この辺りは大学とは大きく違います。大学だと学長(総長)は,学内の教授による選挙で決まることが普通ですが,KEKでは全く違うやり方となります。その選考会議はブラックボックスで,どのような議論がされたかわからず,単に結果だけが発表されます。KEKは全国の大学の人たちが使うための共同利用研ですから,外部の人を入れた選考委員会で機構長を決めるという概念自体はわかるのですが,ユーザーの意志がどれくらい反映されているのかもわからず(実際には色々な人からヒアリングをするわけですが),かなりのブラックボックスです。ある業界に極めて大きな影響を持つこの手の選考はそういうものだと,私よりも大人な周りの人々は言いますが,不思議な感じはやっぱり若干します。フェルミラボとかも同じような決め方です。

という選考の仕方ですし,加えて推薦は個人でしか行えないので,高エネルギー委員会で話し合ったからといって何か影響力を行使できるわけではないのですが,とにかくまあ,意見交換だけはありました。

当たり前ですが,この人事というのは日本の高エネルギー業界にとって非常にインパクトがあります。ぶっちゃけ,日本の高エネルギーがどういう方向へ進むのか,KEK機構長によって決まると言っても過言ではありません。通常,見識のある人がなりますから,コミュニティの意向を組み入れつつ舵取りしていきますが,もし俺様な人が機構長になると,コミュニティの意見を無視して物事を進めることも結構できてしまいます。もちろんだからと言ってコミュニティの言うことだけ聞いていたら限りある予算を有効利用できませんから,極めて難しいバランス,舵取りが要求されます。

そんなわけで,次の機構長が誰になるのかを私も非常に注目しています。

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