ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

FCC

FCCと言ってもなんのことかわかりませんよね。Fermilabにいる人なら,Feynman Computing Center だと思ってしまうかもしれませんし,英語の頭文字をとった呪文が多くてホント鬱陶しいです。って,自分でFCCって言ってるのですが,今私が書こうとしてるのはFuture Circular Collidersといって,HL-LHCの次を目指した円形加速器の将来計画のことです。

ヨーロッパの高エネルギー物理業界が5年毎(だったかな?)に出す提言が去年更新されたのですが,その中で,重要なプロジェクトがざっくりと言って4つリストアップされていました。1つ目は現行のLHCとそのアップグレード計画。2つ目はエネルギーフロンティア実験の将来計画としてポストLHCを目指した円形加速器計画。3つ目がILCなどの線形加速器。CLICも念頭にはあるのかもしれませんが,それについては言及されず,表向きはILCが大切だと言ってます。そして4つ目がニュートリノの長基線実験。

こういう提言があり,その3つ目をFCCと呼んでいます。色々なオプションがありますが,メインなオプションはLHCのトンネルを使ってさらに高磁場の磁石を使うことでエネルギーを上げる(High Energy LHC略してHE-LHC),あるいは周長80キロくらいのもっと大きなトンネルを掘ってエネルギーを上げましょう(Very High Energy LHC 略してVHE-LHC),という陽子陽子衝突型円形加速器です。それに加えて,もしILCが実現しない場合はそのデカイトンネルに電子・陽電子衝突型,あるいは電子・陽子衝突型加速器を作ろうというオプションもあります。ですが,まあ今の段階で一番真面目に研究されているのは先の陽子陽子衝突型加速器です。というか,LHCよりも大きい物を作るというのはもうずっと前から言われていまして,実現可能性うんぬんを抜きにして,そういう夢を描いている人がいます。

VHE-LHCの周長は80キロくらい(あるいは100キロ)を想定していますので,大きさは途中で中止になったSSCと同じくらいです。テキサスでは途中まで穴を掘ってたくらいですから,あながち無理とは言えない計画なのですが,当時とは財政状況が違いますので,まあ難しい話であることは間違いありません。それでも,計画がなければ何にも始まりませんから誰かが始めるわけですが,それにしても20年後あるいは30年後を目指した計画っていうのは色んな意味でスケールがデカイですね。LHCも実現までにはそういう気の遠くなる年月を要したわけで,今LHCをやってる私たちとしては先人たちの努力に頭が下がります。

というわけで,FCCというものがヨーロッパの将来計画の柱と位置づけられているのですが,HL-LHCやILCなどに比べてまだ盛り上がりが少ない。って,まあ,時期がHL-LHCなんかよりもずっと後なので今盛り上がってないのは当然なのでsが,まあとにかくぼちぼちなんかやろうぜということになったらしく,kick-off meetingなるものが来週ジュネーブで計画されています。

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