ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

ポジトロニウム状況

今年こそはと意気込んで始めた4年生の卒業研究のテーマがポジトロニウムの寿命測定です。4年生3人がそれぞれ熱心に取り組んでいて,ここまでの予備実験的なことはかなり順調に進んでいました。私を含めて誰も経験のないまま始めて,手探り状態で色々と問題を解決してきた4年生の逞しさに感心しています。ポジトロニウムの寿命測定の準備万端というところまで漕ぎ着けています。

ですが,ここに来てわかったのは,寿命測定のためのTDCスタート用のトリガーカウンターがまだ厚過ぎるということ。例年の4年生実験同様,研究室にころがっている物を利用して実験をやるというコンセプトなので,薄いカウンターということでファイバー数本でファイバートラッカーをトリガー用に作りました。Na-22からの陽電子がトリガー用のファイバートラッカーを通過し,標的であるエアロジェルでポジトロニウム生成。ファイバートラッカー出力でTDCをスタートして,ポジトロニウム崩壊によるγ線をNaIで検出,それをTDCのストップにしようとしていました。

ところがどうもファイバートラッカーでも物質量が多過ぎるみたいで,ほとんどの陽電子がそこで対消滅してしまうみたいなんですね。どれくらいの確率で対消滅するのか計算してないのでわかりませんが,いずれにせよ,通過してないか,あるいはthresholdを十分低く押さえ込めていないかで,現象としてはファイバーでの対消滅ばかりを観測してしまいます。そこで4年生が出してきたアイデアは,Na-22が陽電子を出す際についでに出すγ線をトリガーに使うというアイデアです。自分たちで思いついたのか,どこかで調べてきたのか,あるいは誰かに聞いてきたのか,その辺はわからないのですが,とにかくそういうアイデアを出してきたというところが素晴らしいです。

新しい問題が次々と出てきますが,それを順次解決していく4年生達を見てると,なんとか寿命測定まで辿り着きそうな予感がします。

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