ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

CERNにもノーベル賞を??

またまたツールーズに来ています。行きと同じ経路を逆に辿っています。今ホテルに着いて,今日はここで一泊。明日朝パリへ飛び,その後関空へ向かいます。預けた荷物がまた届かなかったらどうしようとドキドキでしたが,なんとか無事届き安心しています。でも,手荷物をピックアップするところで,私の荷物が出てきたときにはもう10人くらいしかいなかったので,本当にドキドキしました。

そういえば新聞記事で読んだのですが,ノーベル賞の選考委員ではないけどなんちゃらアカデミーの会員が,物理学賞はヒッグスとアングレールだけでなくヒッグスを発見したCERNにも贈るべきだ,みたいな発言をしていたんだそうですね。そういう考え方もまああるのかもしれませんが,個人的にはそういうことしちゃうと平和賞みたいになって,胡散臭くなるから嫌だなぁと思っています。でもだからといって,実験側で人を絞るのは不可能ですから,今回のようにするしかないでしょうね。

しかし,昔は実験でノーベル賞を貰う実験屋がいたわけですよね。2,3人の実験ならいいですが,J/ψやΥあたりになるとそれなりの人数で実験やってますし,Wも相当な人数になってます。それでも,ノーベル賞受賞者を絞り込めたというのは,よっぽどのリーダーシップだったのでしょう。でも,やっぱり,グループの大きさが本質的なのかな。

というのも,ATLASやCMSが抱える問題の一つは,誰が何にどれくらい貢献しているのかわからない,ということです。もちろんローカルには誰が頑張ってるかはわかるのですが,大きなグループ全体ではそんなこと見えるわけありません。で問題は,誰が頑張ってるかわからないことで,職探しをしなければならない学生やポスドクが不利益を被ることがある可能性があることです。特に,物理の解析をしてる人間,あるいは複数の解析結果を纏めて最終結果を発表するような仕事をしている人間は目立つのですが,地道に日々の実験推進を支えている人間がほとんど日の目を見ないというのが大きな問題だと認識されています。たとえば,昨日までやってたCollaboration meetingでも,そういうことがかなり議論されました。

ただ日本国内を見ると,職探しのときに武器になるのは物理解析の結果以外の何か,だったりするので,リアルタイムで職探しをするような若い人はそう感じないのかもしれませんが,それほど理不尽なことにはなってない気がします。でも,アメリカとかだと状況はかなり違います。物理解析で目立った人が偏重されていることをかなり感じます。だから,高エネルギー分野の衰退が著しいのかも,なんていうバイアスを持ってしまいます。いつも言ってますが,頑張り度合いと得られる果実の大きさに線形性がない分野は衰退するしかないと思っています。

その点ホント日本の高エネルギーはまともだと思います。これも分野の大きさの問題なのかもしれません。アメリカみたいに大きくないので,誰がどんなことしているのか,大人は驚くくらいよく知ってます。だから,解析をやっただけでパーマネントのポジションに就くのは難しく,検出器でもなんでもいいですが,解析結果プラスαの何かを持ってる人が就職しやすくなっています。

おっと,脱線しまくりましたが,ノーベル物理学賞CERNはないだろうと思ったのでした。

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