ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

照射試験

東北大学のサイクロトロン・ラジオアイソトープセンター(CYRIC)というところに来ています。水曜日に,午後の授業を終えた後,仙台へ移動。木曜の朝からCYRICに缶詰になって実験をやっています。

私たちがやっているシリコン検出器の開発では,放射線耐性の高いシリコンセンサーの開発が重要なテーマの一つです。大阪グループはこれまで,シリコン検出器からの信号読み出しシステムを主に開発してきましたが,少し前から,シリコンセンサーおよび,センサーと信号読み出しASICからなるモジュールの開発にも絡み始めています。

で,今回の目的はというと,実際にシリコンセンサーに放射線をガンガン当てて,センサーに放射線損傷を与えています。平たく言うと,壊してる(?)ようなものです。色々なサンプルを用意しておき,浴びせた放射線量を変え,そのセンサーがどのような振る舞いをするのかを後で試験します。こういうプロセスを繰り返し,より放射線に強いセンサーのデザインを探っていくというわけです。

使っているビームは70MeVという低エネルギーの陽子なのですが,そのビームをもろにセンサーに当てているので,そのダメージたるや強烈です。ビームから1mくらいは離れたところに置いてあるモニター用のウェブカメラは,ビーム照射を開始してからまだ1日もたっていませんが,すでに放射線ダメージによるノイズだらけになっています。また,ビームラインに入れてあるビーム位置モニター用のシンチレータは一晩もたずに,かなり酷い状態になっています。

こんなにも酷い環境にさらされてもセンサーとして機能するというのは,数字で見るよりも,そのダメージを目で見た後だと,余計にインプレッシブです。

ところで,当たり前のことなのですが,検出器はセンサーだけでできてるわけではないので,検出器を構成するあらゆるものに放射線耐性が要求されます。たとえば,よく苦労するのが接着剤だったりします。放射線,つまり粒子がたくさん入射すると,接着剤の分子を破壊してしまい,架橋構造がなくなり,接着しなくなります。ですから,検出器を組み立てる際の接着剤一つにしても,実は色々吟味調査の上で使っています。

というわけで,浴びせる放射線量に応じて時間を調整しながら,照射するサンプルを交換するという作業を続けています。その詳しい内容についてはまた後ほど。

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