ATLAS at Anywhere (旧 ATLAS at Osaka)

今日からEPS

最近は,LHC関連の話をほとんどしていません。実験が動いてないので,あまり書くネタを思いつかないんですね。ATLASのアクティビティとして最も大きいのはIBLと呼ばれるシリコン検出器を新しく入れるということだ,というのは前にも紹介したことがあるかと思いますが,製造が着々と進んでいるというような話ではブログ的なネタにならないので,LHC関連情報はご無沙汰状態になっています。

でも,当然のことながら,解析は着々と進んでいて,今日から始まるEPSという会議では,それなりの数の新しい結果が公表されます。とはいえ,ヒッグス発見のような大ニュースがあるわけではないので,これまたブログネタとして取り上げることが最近はありませんでした。それでもマニアックなニュースとして何か紹介するとしたら,今月の初めに,ヒッグス関連の論文を2本雑誌に投稿したということでしょうか。

実はLHCでは,ヒッグスらしき粒子発見の論文以降,ヒッグス関連の論文を実は出していませんでした。「ヒッグスらしき」が「ヒッグス」になったのも大本営発表があっただけで,それを裏付けるような論文を発表していませんでした。今回は,スピンの測定で1本,結合定数測定で1本,ということで上記のように2本の論文を出すことになりました。どちらも,H→γγ,WW,ZZのフルデータを使った結果です。興味のあるかたは,arXivをご覧ください。

ところでEPSというのは,ヨーロッパの物理学会のようなものなのですが,その扱いが日米とヨーロッパで全然違います。アメリカの実験グループだとEPSは単なるRegional conference扱いで,新しい結果を,マイナーなアップデートでも,EPSで公表することは極めて稀です。実際,私がATLASに参加する以前にやっていた3つの実験グループでは,EPSに新しい結果を出したことはないと思います。が,ヨーロッパだと,EPSに新しい結果をバシバシ出してきます。夏の国際会議で最重要なのは,Lepton-PhotonとICHEPだというのが世界中の認識かと思っていたのですが,ヨーロッパだとそうでもないということをこのEPSがあるたびに感じます。

とまあ,そんなわけで今日からEPSが,たしかストックホルム(?)で開催されます。CERNの所長がニュースを全CERNユーザーに投げるメールでも,EPSのことが取り上げられていました。特定の新発表があるわけではないのにEPSのことをニュースにしていること自体からも,ヨーロッパ人的にはEPSを重要視していることがわかります。


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